【貧血】鉄欠乏性貧血について

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鉄は大切だ。鉄がなければ、日本刀もマンションも作れない。鉄がなければ元気がでない。血の気も失せる。地質について研究している人の話によれば、大地に鉄分が少ない土地の国民は性格がおとなしい傾向にあるという。日本人はおとなしい国民性なのだそうだ。ホンマかいな。因果関係があるんだかないんだか分からないが、説得力は妙にある(こういうのが俗説と化すのであろう)。

1つ言えるのは、確かに血中の鉄分が少ないと血球成分がうまく作られない。貧血である。

特に鉄欠乏性貧血は貧血の中でも最も頻度が高く、特に女性に多い。日本人女性の貧血に関する調査によると、鉄欠乏性貧血は女性の10%弱にみられ、貧血のない鉄欠乏状態なら約40%の女性にみられるとされている。

血液検査で明らかな鉄欠乏性貧血を示していても、話してみると「自覚症状は特になかったんですけどねぇ」という人もいる。無症状で受診する人が多い疾患でもある。鉄剤を飲み始めてはじめて、だるさや階段昇降時の息切れが今まであったのだなぁと気付くひともしばしばだ。人は自覚症状が今までなくても、改善した後に振返ってみると過去の自分はヤバかったと気付くものである。一歩先を知れば、元いた場所にはそう戻れない。

鉄欠乏性貧血の原因

原因として、女性では婦人科の病気である過多月経や子宮筋腫が大部分を占める。そうした場合は、まず婦人科を受診して出血の原因となっている病気を調べることが大切だ。男性や閉経後の女性では消化管からの出血が原因ということもある。特に高齢者は貧血をきっかけに胃がんや大腸がんが発見されることも多い

また痔からの出血も貧血の原因となりうる。この他、心臓の病気や脳血管障害のための抗血栓療法でも出血傾向がみられ、消化管から出血している場合もある。人間ドックでは上部消化管は内視鏡検査やバリウム検査、大腸からの出血は便潜血検査があるので、それらの検査で消化管に出血がないかを診断できる。

身体に含まれている鉄の総量は男性では約5g、女性では約2gだが、その3分の2がヘモグロビンの中に含まれている。約4分の1はフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄として存在し、鉄が少なくなった時に使われる。貯蔵鉄というのは貯金みたいなものだ。
貧血というのは、いわば普段使いのお金に加えて貯金まで使い果たした状態だ。
つまり相当ヤバい

鉄の吸収は主に十二指腸で行われる。肉や魚などの食物中の鉄が主な供給源で、健康な人では食事中の鉄の3~15%が吸収されるが、これには個人差がある。

出血がなくても鉄欠乏性貧血を起こす場合がある

鉄の喪失は男性で平均約1mg/日、女性では平均約2mg/日とされているので少なくとも食物から1日10~20mgの摂取が必要である。貧血がひどい場合は食事療法とともに鉄剤を長期服用して改善することになる。また、見落とされがちであるが血球成分の材料であるたんぱく質を摂取すると貧血が改善する場合がある

鉄欠乏性貧血と鉄代謝

鉄欠乏性貧血は検診においてヘモグロビン低値とMCV低値(80未満)がでることが特徴である。二次検査で血清鉄、フェリチン、総鉄結合能(TIBC)を検査するが、血清鉄の低値よりもフェリチン低値(<12ng/ml)とTIBC≧360μg/dlが診断に特異的とされている。 食事中に含まれるニ価鉄(肉や魚に含まれるヘモグロビンやミオグロビン)は、鉄を含むタンパク質が分解を受けた後、ヘム鉄(ヘムとニ価鉄が結合したもの)として吸収されるが、大部分(85~97%)は吸収されず大腸から便として体外へ排出される

ヘモグロビンと結合していない鉄(非ヘム鉄)はニ価鉄(Fe2+)として吸収される。三価鉄(Fe3+)はアスコルビン酸(ビタミンC)の作用を受けてニ価鉄に還元されてから吸収される。ビタミンCは鉄を還元型にして吸収を高めるが、鉄剤内服をする人の1~2割にみられる腹痛、悪心、嘔吐などの消化器症状を増強させる可能性があり、最近では鉄剤との併用は推奨されていない。胃腸障害は胃内の二価鉄イオンの刺激によるものであるため副作用率が上がるのは道理である。

 

 

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