ベルソムラ(スボレキサント)

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2014年11月に日本で発売された新作用機序の睡眠薬ベルソムラ(成分名:スボレキサント)。従来の不眠症治療薬のほとんどは、γーアミノ酪酸(GABA)受容体に作用するベンゾジアゼピン系又は非ベンゾジアゼピン系薬剤で、その後ロゼレム(ラメルテオン)という新作用機序の睡眠薬が上市されたが、効果がでない人も多くあまり使われていない気がする。そんななか、発売された更なる新作用機序「オレキシン受容体阻害」睡眠薬。

美しい睡眠?

Belsomraというネーミングはフランス語由来で、Belle「美人」som「睡眠」から、「美しい睡眠」という意味合いが込められているそうだが、美しさからはほど遠い懸念事項が沢山ありとても使いづらい。

この薬は他の薬との相互作用が物凄く多く、他に薬を飲んでいる場合は扱いにかなり注意が必要である。その、相互作用の多さに僕もなんどかひやひやさせられている。

1998年に発見された脳内ペプチド「オレキシン」は、摂食中枢にあることから当初は食欲を抑えると考えられていたが、その後オレキシン欠如がナルコレプシーを起こすことが発見され、睡眠と覚醒の調節に役割をもっていることが判明した。

オレキシンは睡眠、摂食、自律神経制御、記憶及び報酬行動に関与していると考えられている。オレキシン受容体拮抗薬であるベルソムラは覚醒維持を抑制する=睡眠効果がある。いわば、人工的にナルコレプシー類似状態を作れる可能性が期待され作られた薬である。

基本プロフィール

効果発現までの時間は15〜30分、半減期は10ー12時間程度
プラセボと比較した試験では、3ヶ月継続した場合、睡眠潜時(眠りに入るまでの所要時間)が5.2分間短くなり、主観的総睡眠時間が10.7分長くなった。(その程度か)
なお、薬をやめたあとは改善効果が持続しない

FDAが指摘する重大懸念事項

•傾眠
プラセボ3.1%に対して本剤9.9%で起こった。用量が多ければ多いほど翌日日中の傾眠を起こしやすい

•睡眠時異常行動
FDAの資料(参考文献3)にある症例を紹介しよう。
•65歳男性の例
服用後約2.5時間後に寝言をいい、ベッドから起き上がり再度眠りに戻った後、約1.5時間後に突然ベッドから飛び起き頭部と顔を壁にぶつけた。本人に記憶なし。投与終了2週間後に夢遊症発現。なお、夢遊症の既往はなかった。

•58歳女性の例
内服7時間後に気がつくと窓の側に経っていたが、どうやって窓まで移動したのか記憶がなかった。
 
•ナルコレプシー様症状(入眠時幻覚、睡眠時麻痺など)
頻度はとても少ない

•自殺念慮

因みにスボレキサントと既存睡眠薬を比較した試験はない。

【参考文献】
1,Lancet Neurol 2014 May;13(5):461
2,ベルソムラ錠 添付文書
3,Suvorexant safety and efficacy FDA

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