デスロラタジン(商品名:デザレックス)ー抗ヒスタミン剤の新薬ー

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花粉症の季節なので、そろそろ販売開始されるであろう抗アレルギー剤の新薬を紹介しよう。 名前はデスロラタジン(成分名)。これは、抗ヒスタミン薬ロラタジン(商品名クラリチン)の活性代謝物を製剤化したものだ。ちらっと有機化学的話を挟むと、ロラタジンのピペリジン基から、エトキシカルボニル基を除いた構造となっている(イミフメイか)。デスは死ではなくて、活性代謝物をとったという意味合いでついている。

花粉症でつらーい人は、アレルギー止めで新薬が出るなんて聞くと胸が躍らないだろうか。 新薬と言っても、米国では2001年から使われていて、既に臨床データも沢山出ている。同じ抗アレルギー剤だと、既存薬(ジルテック)の光学異性体を分割製剤化したという意味で、レボセチリジン(ザイザル)と成り立ちが似ている。 下表に、第二世代抗ヒスタミン薬の薬物動態パラメータを示す。 デスロラタジン比較表
出典:World Allergy Organ J. 2011 Feb; 4(2): 47–53.
(追記:記事執筆時点で不明だったデスロラタジンの商品名はデザレックスとなりました)

デスロラタジンの特長

1、効き目が長い
ロラタジンとの違いは、最高血中濃度到達時間Tmaxがやや延長、血中濃度半減期T1/2が大幅に長くなったこと。つまり効き目が長くなった。また、ヒスタミンH1受容体親和性は、非常に高いことで知られるレボセチリジンと同等に近い。

2、飲み合わせや患者の肝機能に効果を左右されにくい デスロラタジンは、ロラタジンのようなプロドラッグではないので肝臓での代謝の影響を受けない。従って、他の薬剤との相互作用や患者の肝機能の影響の問題がまずないことがメリットと言える。

デスロラタジンの効果

アレルギー症状と言えば、蕁麻疹、痒み、鼻炎、鼻づまり、くしゃみ、眼の痒み、涙などであるがデスロラタジンについてそれぞれ検討した試験を紹介していこう。

痒みへの効果

痒みへの効果としては、既存薬のザイザル(レボセチリジン)と比較した研究がある。元々進化前のロラタジンは痒みに対して、ホントーに効かない(と飲んだ体感と複数の研究から)と思う。では進化版は? まず、慢性的な蕁麻疹や掻痒症に対してはデスロラタジンよりもレボセチリジンの方が有効であることが分かっている。慢性掻痒症の大人886名をレボセチリジン5mgとセスロラタジン5mgにランダムに振り分けて各薬剤を1日1回4週間飲んでもらった 比較試験があるが、安全性は両者とも同等だが、効果はレボセチリジン(ザイザル)が優れていた(Allergy 2009 Apr;64(4):596)。

また、別の報告でも同様の結果で、痒み症状が治まった割合はレボセチリジンの55%に対してデスロラタジンの30%(p<0.04,NNT=7)。因みに高用量にした場合症状の改善がみられやすく、眠気に関しては用量をあげても大きな差はなかった。従って使うならそれなりに量を飲んだ方が良い。痒みにはやや効く可能性があるといったところ( J Allergy Clin Immunol 2010 Mar;125(3):676 )。

鼻の症状への効果

デスロラタジンは鼻炎、鼻づまり、鼻の痒み、くしゃみ、眼の炎症や痒み、涙など様々な症状を僅かに改善させる可能性はあるが、臨床的に有意と言えるほどではないとされている。プラセボに対する優位性もない( Ann Allergy Asthma Immunol 2006 Mar;96(3):460 )。

デスロラタジンには、用量がいくつかあるが、2.5mgでは全く効果がなく、5mg、7.5mg、10mg、20mgとある程度の用量を飲むと効果がでるようである(BMC Fam Pract 2002 Aug 5;3:14)。

因みに進化前のロラタジンを点鼻液に上乗せしたらどうなるかを検討したものもあって、12週間、経口のロラタジン(クラリチン)をモメタゾン(ナゾネックス点鼻液)に上乗せしても、上乗せしない場合と比べて季節性鼻炎の症状は改善しなかった。 共に症状は改善しているが、上乗せ効果はないので鼻炎だったら点鼻のみで良いと言える。また、上のデスロラタジンが鼻炎症状に効果薄いことを踏まえるとロラタジンと同じように考えて良さそうだ(Allergy Asthma Proc 2006 May-Jun;27(3):248)。

プラセボ以外ではなくて、他の抗ヒスタミン剤と比べたらどうかということで、ジフェンヒドラミン(レスタミン)と比較したものはある。ここでも、ジフェンヒドラミン(レスタミン)はデスロラタジンやプラセボよりも有効性が高く、デスロラタジンはプラセボと同程度の効果しかないという残念な結果に終わっている。つまり鼻炎などを含むアレルギー症状の改善効果はあまり期待できない(Ann Allergy Asthma Immunol 2006 Apr;96(4):606)。

服用タイミングをずらしたら有効性に差が出るのか

デスロラタジンの服用タイミングは効果に影響しないことが分かっている。18歳以上の季節性鼻炎の患者663名をランダムにデスロラタジン5mg/日で1日1回朝の群と1日1回夕の群、いずれも2週間継続に振り分けて比較した試験があるが、症状改善スコアに差はなかった。上述したように眠気の問題がないことと効き目の長さを考えると1日のうちでどこで飲んでも良さそうだ(Clin Mol Allergy 2005 Feb 2;3(1):3)。

まとめ

•相互作用や肝代謝の影響を受けにくい
•効き目が長い
•痒みはやや改善する
•鼻炎、鼻水などに対する有効性は低い
•点鼻薬に上乗せしてもあまり意味がない
•1日のうちのどこで飲んでも効果は変わらない

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