低用量ピルの飲み方、選び方、飲み忘れ対策、分類、保険適用

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低用量ピルの基本情報、副作用やメリットについては以前紹介したが具体的な製品、服用方法、分類についてまとめていく。
本当にいわゆるピルの日本での使用率は低い。諸外国と比較すると日本は格段に少ないと言える。メリットがあまり知られておらず、副作用のイメージが強いせいだろうか。億単位の女性が使っている安全性の高い薬なのだがどうも一般の認知とずれがあるように思う。

ピルの説明をする時に、良く聞かれることが「毎日同じ時間に飲まなきゃいけないんですか?」という質問。その方が望ましいが、そんなにキッチリ厳密に飲まなくてはいけない薬ではない。世界中でアバウトな人たちが沢山飲んでいる。そんな厳密じゃないとダメなら、そこまで普及しないだろう。

服用方法

基本的に女性の生理周期に合わせて、1日1錠 21日間のんで、7日間休む。この7日間の休薬時に「消退出血」が起こる。これは、痛みや大量出血などの不快感を抑えた非常に軽い生理のようなもの。ピルを飲むと生理がなくなると思う方が少なからずいるようだが、実際にはそうではない。また、この服用期間を調整することで、生理日を自分の予定に合わせてコントロールすることができる。

飲み忘れた時はどうすべきか

飲み忘れについても良く質問を受けるのだが、1日忘れたくらいなら次の日に2錠飲んで良い。特に最初の1週間は注意が必要であるが、そんなに真面目に考えすぎなくても良い。忘れるなら携帯のアラームや製薬会社や電子薬手帳の会社がやっているリマインダーのサービスなどを使ってもよいだろうと思う。

ピルを飲めない人

ピルを飲めない人は非常に限られる
・35歳以上の喫煙者
・偏頭痛など服用が勧められない病気がある
など。細かい条件やリスクは病院やクリニックで相談するとよい。産婦人科学会のガイドラインに詳細な記載がある。

なぜ21錠と28錠という錠剤の数が違うタイプがあるのか

28錠のほうは21錠の他に休薬期間に飲む偽薬が7錠ついている。なぜ偽薬など入れるのかというと、これは1日1錠を習慣づけて飲み忘れを防ぐためだ。初めて服用という方は、慣れるまで28錠タイプでもよいだろうし、偽薬などなくても忘れないというなら21錠タイプで良いだろう。要は好みの問題だ。

ホルモンの配合量によって一相性と三相性に分けられる

一相性は錠剤すべて一定の配合量で、三相性は配合量が期間ごとに3段階で異なる。一相性はホルモンが一定量なので、子宮内膜はほとんど厚くならない。従って、出血量が減り生理痛も軽減する特性がある(もちろん個人差はある)。三相性は、ホルモン量が3段階で調節されているので、総ホルモン量が少なくてもすむという特徴がある。錠剤を段階ごとに色分けした製品もある。両者の選択は、目的に沿うが生理の予定をずらすのにラクな方がよければ一相性の方が良いかもしれない。

開発された時期により世代分類される

薬が開発された時期が古い順に第一世代、第二世代、第三世代、第四世代と分類されている。では、世代間で何が異なるのか。ざっくりいうと、古い方は「岩塩」、新しい方は「精製塩」のようなイメージで捉えれば良い。

岩塩は様々なミネラルを含むが、精製塩はナトリウム純度が高く精製されている。男性ホルモンが多少含まれているのが、第一世代、精製されてほとんど含まれていないのが、第三世代、第四世代である。

代表的な薬名は次の通り
第一世代 オーソ、シンフェーズ、ルナベルLD、フリウェルLD(ルナベルLDのジェネリック)
第二世代   トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック)
第三世代 マーベロン、ファボワール(マーベロンのジェネリック)
第四世代 ヤーズ

ざっくり選択基準を書くと、月経困難症と診断できるレベルであれば、ルナベルが保険適用で使えるので良い。保険の有無で値段が段違い。生理痛でとにかくお腹が痛むなら、子宮内膜の発育を抑えるオーソ。第三世代で男性ホルモン含有量が少ない方が、肌荒れやニキビは多少起きにくいので、そうした肌トラブルが気になる人はどちらかと言えばマーベロンなどが良いだろう。特に主訴がなく、単純に避妊目的だけなら世代が新しいものが良い。

低用量よりも低用量な超低用量ピル

通常の低用量ピルよりもホルモン含有量がさらに低いタイプがある。2013年に発売されたルナベルULD(ウルトラ・ロー・ドーズ)や、ヤーズがそれにあたる。ヤーズに関しては重篤な副作用報告があり処方されづらくなったが、医師と相談の上で続けるなら続ける場合もある。長期間で使うのであれば、同じルナベルでも超低用量タイプも良い選択だと思う。

ジェネリック医薬品がある

通常、薬の有効成分には特許があり、それを開発会社がもっている。特許が切れると、他の製薬会社が同じ成分を使った薬を安価に販売できるようになる。上記で紹介したが、フリウェル、ラベルフィーユ、ファボワールがそれにあたる。ピルの値段はバカにならない。ジェネリック医薬品であれば、ほぼ半額ほどになる。特に長期で常用する場合は懐に優しい。

因みに自費で出すクリニックの中には、先発医薬品とジェネリックで価格に大きな差をつけないところもあるようだ。しかし、ジェネリックで薬の値段が安ければクリニックでの薬の納入価には反映される。自費というのは、値付けが自由なので安く仕入れて高く売って利ざやを得ることが可能だ(ちょっと悪質だと思うが、韓国では普通にそういうクリニックが沢山あると聞き及んだことがある)。

保険は効くのか

基本的にピルは自費診療だ。避妊薬として認可されているため、保険が使えない。ただし、月経困難症と診断されれば、保険で処方できるピルもある。それがルナベルLD、ルナベルULDとヤーズ。これを知っておくだけでかなり徳ができる。

ざっと、概観してきたが、医師によってどれを処方するかはバラツキがある。色々タイプがあるが、どれが合う合わないは個人差が大きく服用前にあなたはこれがあいますと言い当てることは実質不可能。ある人が吐き気を催した薬がある人は全く平気ということもあれば、その逆もある。従って合わなければ、手札を変えて試せば良い。どこかで合うものに出会えるはずだ。

【参考】
•DynaMed : Oral Contraceptives
•ピル博士のピルブック ジョン・ギルボー (著), 早乙女 智子 (翻訳)

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