にきび治療薬の選択肢(ディフェリン、ベピオ、デュアック、ゼビアックス)

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にきびに関しては、ビタミンなどの栄養摂取や普段のスキンケアが大切な側面があるが、治療薬についても近年相次いで複数の新薬が発売され、治療の選択肢が広がった。2015年4月にベピオ(一般名:過酸化ベンゾイルBenzoyl Peroxide:BPO)が発売され、同年7月にはそれに抗菌薬を配合したデュアックが、更に16年1月にはキノロン系抗菌薬のゼビアックス(オゼノキサシン)が発売された。近年発売された治療薬と治療のポイントをまとめて紹介する。

ベピオ(過酸化ベンゾイル)

とりわけベピオは注目されており、今までの基本になっていたクリンダマイシンとアダパレンとの使い分けが大切となる。過酸化ベンゾイルは強力な酸化剤で、塗布後より徐々に分解されて生じるフリーラジカルが作用を示す。次の2つの作用を合わせもつ。

1、アクネ菌や黄色ブドウ球菌などの細菌の膜構造、DNA・代謝などを直接障害(抗菌作用
2、角層中コルネオデスモソームの構成タンパク質を変性させ、角質細胞の結合が弛む→角層剥離が促進。(ピーリング効果
ベピオ作用機序
図 ベピオ作用機序 (ベピオゲル インタビューフォームより抜粋)

角質剝離作用により、皮膚障害が起きる頻度は高いので、使用方法、起きうる症状など事前に理解していないと治療途中で誤って中止することになりかねない。ラジカルによる殺菌は耐性が起こりにくく、これまでに耐性菌の報告はないため、長期間の使用に耐えうる。一方、クリンダマイシンでは長期使用により耐性菌の懸念があったり、内服でマクロライド系抗生剤を服用していて耐性菌が出来ている人には効かない場合がある。ニキビ治療では抗菌薬の内服も行うが耐性菌への懸念から長期間使いづらかった。そういう意味で、ベピオは長期に渡り使えて、ピーリング作用もあるので初期病変から炎症性病変まで幅広く使用できる薬剤として期待されている。過酸化ベンゾイルは海外では数多くの市販薬にも配合されているポピュラーな成分。因みにベピオには漂白作用があるので、使用時は髪や濃い色の洋服、装飾品などにつけないよう注意する。ディフェリンよりも刺激は少ないとされる。

ディフェリン(アダパレン)

以前は、症状が進んでから抗菌薬を使用するしかなかったが、これを変えたのがディフェリン。ピーリング作用があり、初期病変(面皰)への治療を可能にした薬剤。しかし、これは刺激感が強く催奇形性の可能性もあり妊婦や妊娠の可能性がある女性には禁忌という問題がある。作用機序は次の通り(ディフェリンゲル インタビューフォームより抜粋)。
アダパレン作用機序

デュアック(クリンダマイシン•過酸化ベンゾイル)

ベピオと外用抗菌薬のダラシン(クリンダマイシン)の配合剤。外用抗菌薬は単剤で使用するよりも、ピーリング作用がある薬剤との併用により皮膚浸透性が高まり耐性菌が出にくいと考えられている。

ゼビアックス(オゼノキサシン)

アクアチム(ナジフロキサシン)やダラシンは1日2回使用する必要があったが、ゼビアックスは1日1回で済む。国内第三相試験で、アクアチムに劣らない効果を示すことが認められている(非劣性)。

にきびの発症と治療

にきびの発症には、皮脂の分泌、毛穴の角化異常、毛穴内のアクネ菌の増殖とそれに伴う炎症が関係する。
一般に炎症が強く出ている急性期と炎症が治まっている維持期に分けて治療を考える。

•急性期:ディフェリンやベピオをベースにして、程度に応じて抗菌薬の外用•内服をプラス
•維持期:アダパレンやベピオを使いながら再燃を予防

が基本となる。瘢痕ができると治すことが難しくなるので、早期治療が望ましい。耐性菌ができるのを避けるために、抗菌薬使用は3ヶ月以内とし、ベピオを併用することが効果的。

効果は2〜3ヶ月後に実感

にきびは今すぐに治したいという患者が多いが、効果を実感するまでには時間がかかることを先に知っておくことが大切だ。相当長いと感じるかもしれないが、これを承知しておかないと自己判断ですぐに治療をやめたり医師を変えたりして結局良くならない。にきび治療薬は根気よく続けると確実に効果が実感できる。その前に刺激感や赤みなどでやめてしまうことがとても多い。

先日、入学式に間に合わせようと、その前日にベピオを使いはじめたが、かえって顔全体の赤みが増して逆効果だったと不満を漏らしていた学生さんの話を聞いた。事前に、その可能性を説明されていないとそうした事態に繋がる。

刺激感は効果の現れ

ディフェリンやベピオを使い始めると、皮膚の乾燥、つっぱりなどの不快感、皮膚が剥がれ落ちる、赤みなどが高頻度で出る。特にアトピー性皮膚炎やひどい乾燥肌、皮膚が弱い患者、乾燥する冬季の治療などは注意が必要だ。

こうした副作用は、皮膚不快感や剥脱は毛穴の詰まりを治療するピーリング作用が効いている証左でもあり、必ずしも悪いことではない。ディフェリンは使用開始2週間後まで、ベピオは1ヶ月後までに、皮膚の乾燥や刺激感が出ることが多いが、使い続ける内に症状は治まることが多い

皮膚が非常に赤くなり、腫れ上がって、強い痒みや刺激感が強ければ使用中止するが、軽度の刺激感や乾燥であれば継続する。副作用を減らす為には洗顔後、薬を塗る前に保湿をしっかり行うことが大切。化粧水や乳液の後で、医療用の保湿剤や市販の保湿クリームを使っても良い。この後に、ディフェリンやベピオを塗り、必要ならその上に抗菌薬を重ねる。

副作用が懸念される場合や軽い副作用が出た場合、次ような対策をしても良いだろう。
•にきびとその周辺のみに塗る(点塗り)
•塗布後30分〜1時間程度で薬剤を洗い流す
•薬を薄めに塗る
•使用頻度を毎日から1日おきにする

ディフェリンやベピオにより皮膚が刺激に対して敏感になるので、外出時の紫外線対策なども大切だ。

まとめ

以上を表としてまとめた。
にきび_ベピオ_デュアック_ディフェリン_ゼビアックス

【参考】
•マルホ ニキビの治療.com
•各薬剤の添付文書及びインタビューフォーム
Indian J Pharmacol. 2011 Nov-Dec; 43(6): 628–631. 

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