経口ステロイド製剤の離脱/減量/中止で起こりうる症状一覧

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「最近とても眠くなることが多い。薬の影響はないですか?医師に聞いても関連はなさそうだと言われたので」と聞かれたときのこと。その方が服用している薬をざっとみて、確かに傾眠作用のある薬剤はなさそうに思われた。 僕自身、なんでだろうと考えてしまったのだが良くみると経口ステロイド製剤を以前から徐々に減量している経過があった。眠気は良くあるステロイドの離脱症状の1つだ。 原因の分からない体調変化が出ると不安になるもの。“経口ステロイド製剤ー種々の副作用がありながら使用される理由”で紹介したステロイドの生理作用から逆算すれば想像もできるのだが、離脱症状として起こりうることの可能性をある程度具体的に言語化できていれば、いざその症状が出た時に極度に怯えなくて済む。ステロイドの離脱症状として起こりうることを以下にまとめて紹介する。もちろん、全例ででるものではなく、個々の状況によって発現の程度は異なる。

腹部の痛み

プレドニゾロン中止時に強い腹部の痛みを訴える人は意外に多い。胃痛や食道や胃の灼熱感によるものであったりする。

うつや不安、気分の変調

多くの人がうつ傾向を訴える。不安症状の報告はそれよりは少ない。これは、ホルモン量やHPA機能の変化によるものと考えられている。同時にエネルギーの低下を感じる方も多い。ただし、体が回復してくれば安定してくることを知っておくと良い。

自殺念慮

うつ傾向が強く出て自殺念慮を誘発する場合がある。減量中にそうした症状が出た場合はすぐに医師に相談することである。副腎機能が回復してくれば、徐々に改善し通常の状態に戻るはずだ。

体の痛み

中止時に強い体の痛みがでることもある。最後の服用から起算して、数週間続くこともある。あまりにも痛みが強いようであれば、服用量を戻して改めて徐々に減らすことを検討する。

食欲不振

プレドニゾロンは食欲増加と関連しているため、中止した時に食欲が減退することがある。服用中には常時空腹感があったのに中止すると食欲がガクンと落ちる。

下痢

離脱時に下痢を訴える人もいる。もし辛ければロペラミド(ロペミン)を含む下痢止めなどが使っても良いだろう。このステロイド離脱による下痢に良い適応だ。

めまい

様々な薬の離脱症状として良く出る症状。めまいが出たら慌てがちだが、大抵すぐよくなる。きついものだと数週間出るものもあるが、薬が体内から抜けて時間が経てばいずれにしても症状は徐々に消えていく。

眠気や倦怠感

離脱によりほとんどの人に強い倦怠感やエネルギー不足感が発現する。これは、長い間薬に頼って機能していた体がそこから離脱していくにあたって避けられないプロセスだ。コルチゾールホルモンのレベルが下がると、エネルギー不足気味になるので、その恒常性を取り戻すには時間がかかる。

発熱

中止時に発熱がある人もいる。プレドニゾロンがない状態に再適合しようとしている体の反応だ。この熱は通常最後の服用から1週間以上続くことはない。もし、それ以上続くなら医師に相談してよりゆっくりと減量を試みるなど検討した方が良い。

頭痛

作用機序からして、重度の頭痛も抑えられる薬なので、中止した時に元々あった頭痛よりも強い痛みを感じることがある。時に片頭痛を誘発することもある。

HPA(視床下部—下垂体−副腎系) の変化

長期間に渡ってこの薬を服用すると、誰もがHPAの変化をきたす。外からプレドニゾロンを補充している状態に体が慣れてしまい副腎が十分なレベルのコルチゾールを産生できない状態になるのだ。徐々に減量したとしても体が自然にコルチゾールを産生できるようになるまでは時間がかかる。

関節痛

ステロイド中止時に激しい関節痛が出ることはよくある。これは内因性のコルチゾール産生が落ちているために起こる。離脱に伴う炎症の発現による場合もある。痛みがひくまでは体にストレスをかけすぎないことが大切だ。時に痛み止めを併用する。

低血圧

中止時に血圧低下をきたす人もいる。ステロイドは血圧をあげる作用があるが、急激に中止すると血圧が急低下する。場合によっては、血圧が下がりすぎてめまいや失神に繋がるリスクもある。必要なら減量時に血圧をモニタリングしておくことも大切だ。

低血糖

中止時に低血糖を起こすこともある。急激な低血糖は危険なので、必要であれば甘いものを備えておくとよいかもしれない。

筋肉痛

一部、長期にわたって続く筋肉痛を訴える人がいる。もし辛ければ痛み止めなどで必要時に痛みを緩和するなど対策をしても良いだろう。

吐き気

中止時に強い吐き気を催すことがある。この症状は続いたとしても数日で徐々に良くなる。徐々に減量しているのであれば、吐き気が長く続くことは少ない。

嘔吐

中止時に嘔吐する人もいる。あまりにも急激に減量しすぎて、体が適応しきれない時に起こる。もし嘔吐するなら、減量に対して過敏状態であるか減量が早すぎた可能性がある。

振戦(ふるえ)

多くのひとが、手足の不快な震えを訴える。良くある症状というわけではないが、生活に支障をきたす可能性がある。

皮膚の発疹

中止時に皮膚の発疹が出ることもある。皮膚の灼熱感や痒みは皮下神経の刺激によるものではないかとする説がある。皮膚の痒みや刺激感があったら離脱症状を疑う。

衰弱

中止時に筋力低下や倦怠感を起こすことがある。この痛みと衰弱感から完全回復するまでは数週間〜数ヶ月を要することすらある。長期間服用した場合の離脱で特に起こりやすい。

体重減少

長期に渡ってプレドニゾロンを服用していると、体重がかなり増える傾向にある。体重増加の程度は個人差がかなり大きいが、完全に薬を中止した後、数週間で体重が落ち始める。

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