Q、アクトス(ピオグリタゾン)で骨粗鬆症になると聞きましたが、大丈夫ですか?

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先日80台前半の女性の方より「処方医よりアクトス(成分名:ピオグリタゾン)は骨粗鬆症のリスクが上がると聞いたが、飲んでいて大丈夫ですか」と質問を受けた。

実際に、骨折への懸念からアクトスの処方を中止する例は少なくはない。 基本的にベネフィットが少ない割に副作用が多すぎる薬なので、なぜ未だに使う医師がいるのかと疑問に思う薬である。そして、高齢者ではほとんどの場合において、血糖値を厳格に下げるメリットはなくむしろ害のリスクが上回るので勧められないと考えている。

骨折リスクに関しては、「骨粗鬆症予防と治療ガイドライン2015年度版」において次の記載がある。

チアゾリジン薬が活性化する PPAR γ(peroxisome proliferator-activated receptor-γ)は、脂肪分化を促進すると共に骨形成を抑制する。臨床的な骨折リスクを上昇させることがADOPT試験において初めて報告された。その後行われたメタアナリシスの結果、わが国で使用されているピオグリタゾンを含むチアゾリジン薬の使用により、末梢骨を中心に骨折が閉経後女性で増加することが報告された。その一方,男性での影響は少ないとされている。国内での検討でも、閉経後女性においてチアゾリジン 薬服用者は有意に椎体骨折有病率が高いが、男性では差を認めなかった

これだけ言われてもどれだけリスクが上がるのかは分からない。 上記ガイドラインの元文献の1つであるメタ解析の結果によれば、65歳以上の閉経後女性においては、年間1000人あたり32人、つまり31人に1人の割合で骨折を誘発する可能性が示唆されている。これは長期使用する薬剤の副作用率としては極めて高い。

同文献によれば、アクトス(ピオグリタゾン)による骨折は女性においては2倍以上増えている

全体で骨折が1.45倍(オッズ比1.45 95% 信頼区間 1.18-1.79; p < 0.001)と明らかに増えており、

特に女性では2.23倍と大幅に増えている(オッズ比2.23 95%信頼区間1.65-3.01; p < 0.001)、

しかし男性ではオッズ比1.00(95% CI 0.73-1.39; p = 0.98)で有意な増加はなかった。

 

また骨塩量についても、チアゾリジン系使用群の女性では有意な低下を示しており、

腰椎で平均 -1.11%(95%信頼区間 -2.08% to -0.14%; p = 0.02)

臀部で平均 -1.24%(95%信頼区間 -2.34% to -0.67%; p < 0.001)

という結果が同文献内にある2つのランダム化比較試験で出ている。

 

添付文書やインタビューフォームといった製薬会社が出している資料では骨折の頻度は「頻度不明」としているが、

年間31人に1人も骨折を増やすのだから「頻度不明」で太平楽を決め込めるレベルではない。

 

【参考文献】

骨粗鬆症の 予防と治療ガイドライン 2015 年版

CMAJ January 6, 2009 vol. 180 no. 1 32-39

Long-term use of thiazolidinediones and fractures in type 2 diabetes: a meta-analysis

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