コンタクトレンズは一生使えるのか

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

めざましい眼科の技術進歩やコンタクトの技術向上をフォロー出来ているわけでもないのだが、眼科分野はここ4、5年で画期的な技術が出始めている印象はある。まあ、この質問への回答としては、あまり気にしなくても良いですよというのが結論だが論拠を示していこう。

コンタクトレンズの原理と角膜に及ぼす影響

コンタクトレンズは眼の表面の角膜に装用する点がメガネとの違いだが、レンズとしての原理はメガネと一緒で、網膜上に焦点を結ばない屈折異常をレンズで光の屈折を補うことで視力を矯正する。

「いや〜、自分メガネ似合わないんっすよー」とか言いながら、永久にコンタクトに頼る人には気になるテーマだと思う。かといってレーシックには踏み切れないというのもよくある話だ。

概して言えるのは他人は自分が思っているほどあなたのこと気にしていないから
「そんな自己評価はいいから堂々とメガネをしなさい。問題はあなたの内なる自信だ」
などと綺麗事をぬかすのも、1つのアドバイスかもしれない。

コンタクトレンズの長期使用における角膜への影響については様々な研究がある。ハードコンタクトとソフトコンタクト共に眼が低酸素状態になるために、角膜細胞の変化をきたす可能性が指摘されている。ハードの方がより変化が大きいとされている。固いレンズの方がより目を傷つけやすいためである。5年以上コンタクト装用している患者35名に対して行われた試験では、使用者の中心及び末梢角膜の厚みが30〜50μm減ったということである(薄すぎてイメージが湧かない)Ophthalmology. 2000 Jan;107(1):105-11.
ソフトコンタクトレンズの長期使用により、上皮酸素取込み量、間質の厚さ、角膜内皮の形態を変化させることが示されているようだ。さらに、上皮の空胞や嚢胞の形成の報告もあるようだ。

損傷の可逆性

上皮酸素取り込み量は、コンタクトレンズ着用停止後1ヶ月で正常レベルに戻ることが分かっている。上皮の厚さもコンタクトレンズ着用中止後、1週間で正常レベルに戻る。しかし、内皮多形性は長期装用の中止後に戻らない場合がある。間質の厚さや嚢胞の密度も装用中止後完全に元に戻るというわけではなさそうだ。

といったところが、ざっくり調べた印象だが実際に診療に携わる眼科医に聞いた話によれば、「正しい装着をして定期的な検査を受けていれば大多数の人は一生使い続けることができる」ということである。

コンタクトレンズ装用で問題視されるのが「目の酸素不足」であり、長期装用により「角膜上皮細胞数が減少」することが続けられない理由としてあげられる。

比較イメージのために数値を出すと、

•通常の大気中の酸素濃度はおよそ21%
•昔の酸素透過性の悪いCLやハードCL、カラーCLでは酸素濃度6〜8%(エベレスト山頂 海抜8848m並み)
•酸素透過性の良いレンズ、酸素透過性ハードCL、毎日使い捨てソフトCL、2週間交換ソフトCLでは酸素濃度15%(富士山頂 海抜3776m並み)
出典:日本眼科学会ホームページ

何十年も前の酸素透過度の低いコンタクトレンズならまだしも、現代においては内皮細胞の数が減ったためにコンタクトが使えなくなることはそうないようである。古い情報に踊らされると実態を見誤ってしまう。

では、酸素透過率が良いコンタクトレンズは何かということになる。Googleで「コンタクト 酸素透過率」などと入れると多くのページが出てくる。例えば、以下。

現役眼科検査員が教えるコンタクトレンズの全て ソフトコンタクトレンズ酸素透過率ランキング

先の耳学問の続きだが現代は40年位前、酸素透過性が低いものを24時間装用していたような時代と違って、10年以上前からコンタクトレンズの酸素透過性は大幅に向上した上に、24時間装用が推奨されなくなったためコンタクトにより内皮細胞が減少する患者はほとんどみられなくなったそうである(眼の外傷、炎症、緑内障などの眼圧上昇、手術などコンタクトとは無関係に減少する例を除く)。となると、過度に長時間使わず必要な時のみ使用する程度であればさほど気にする必要はないということか。

【参考書籍&サイト】
•患者さんから浴びせられる眼科疾患100の質問―達人はどう答え、どう対応するか 坪田 一男 (編集)
Ophthalmology. 2000 Jan;107(1):105-11.
The effects of long-term contact lens wear on corneal thickness, curvature, and surface regularity.
Effects of long-term contact lens wear on the cornea Wikipedia
日本眼科学会ホームページ コンタクトレンズ障害 原因と病態
現役眼科検査員が教えるコンタクトレンズの全て ソフトコンタクトレンズ酸素透過率ランキング

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