【乳がん】ATLAS&aTTomとASCOガイドライン改訂

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

以前、乳がんのホルモン療法に関する
ATLAS試験という臨床研究の結果を紹介した。

今回はその試験と並行して行われていた
aTTom試験というものを紹介する。
(たまに聞かれるが、ATLASとかaTTomは試験名の頭文字をとっただけで実際の臨床試験の正式名称ではない。)

試験の概要は次の通り
対象患者群(Patient):タモキシフェンによるホルモン療法を5年間受けた乳がん患者6953名
介入群(Intervention) :さらに継続して10年間内服 3468名
比較対象群(Comparison):5年間で終了する 3485名
結果(Outcome):乳がんの再発率、全死亡比較

5年vs10年
再発 672名/3468名(19.3%) vs 580名/3485名(16.7%)
再発率は15%の減少

ざっくばらんに計算すると
再発を100人減らすのに3500名の治療期間を5年から10年に増やしているということだから
恩恵を受けられるのは35人に1人くらいということになる。
(Number Needed to Treat NNT=35)

副作用
子宮体がん死亡 20名(0.6%)vs37名(1.1%)
10年内服で、子宮体がんによる死亡率が上がる

結局何年治療しても再発率は0にはできないというのは共通するところ。
癌にもリスクの高い低いがある。
NNTもATLASとそう大きくずれはない。

上記の35人に1人という数値を見ると一般の方は
それだけですか!?などという話になるのだが、この療法が適用になる乳がん患者は国内だけでも相当数なので
それなりにインパクトのある数値だと思う。

そんな論文が2本立て続けに出たので、
ASCO(American Society of Clinical Oncology/米国臨床腫瘍学会)と
NCCNのガイドラインが、2014年に改定された。
この2つのガイドラインは、癌 に関わる
医師はかなり参考にしている人が多い。

ASCOの推奨は以下の通り。
原文から私が訳した。

▼閉経前又は閉経周辺期ER(+)女性乳癌患者
タモキシフェン5年継続。その後、閉経有無によって次のように分ける
閉経前:タモキシフェン10年継続
閉経後:タモキシフェン10年継続 または
    アロマターゼ阻害薬(AI)に切替えてトータルの継続期間10年となるように服用する

▼閉経後のER(+)乳癌女性 次のいずれかが推奨される
・タモキシフェン10年継続
・AI(アリミデックス)5年
・タモキシフェン5年→切替えてAI5年まで(合計10年)
・タモキシフェン2-3年→切替えてAI5年(合計7、8年)

▼閉経後でタモキシフェンもしくはAIに認容性がない場合
代替的なホルモン療法に切替える
例)AI服用したが、5年以内に中止となった場合はタモキシフェンを計5年
タモキシフェンを2、3年服用したが中止となった場合はAIを5年継続して
トータル7.8年に

・臨床家にとって副作用リスクとポテンシャルベネフィットを十分説明して
 患者と相談の上判断することが大切だとしている

原文へのリンクは以下
http://www.asco.org/press-center/asco-guideline-update-recommends-tamoxifen-10-years-women-non-metastatic-hormone

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