【高血圧】CKD(慢性腎臓病)における降圧剤の選択/ACE阻害薬とARBの比較

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ガイドラインにおいては、CKD(Chronic Kidney Disease:慢性腎臓病)患者に対する降圧治療は、「ACE阻害薬またはARBを第1選択とする」とされ、「いかなるステージの糖尿病性腎症でも、その進行を抑制する」と記載されている。ただしガイドラインでは、両者の優劣について記載はない。

一方で、BMJ(British Medical Journal:英国医学雑誌)に掲載されたネットワーク・メタアナリシスで糖尿病患者への単剤・併用薬剤の生存率・重大腎障害への降圧剤治療効果比較がなされており、クレアチニン(腎臓のろ過機能の指標、数値が高いと腎機能低下が疑われる)への影響で差が見いだされている。

(※ネットワーク•メタアナリシスというと、もっともらしく聞こえるが乱暴な言い方をすると野球選手とサッカー選手をまとめて統合して比較しているようなもの(?)なので各研究間の一致性、類似性を吟味する必要がある。その評価方法には一定のガイドラインがあるので、詳しく知りたい方は医薬品医療機器総合機構が出しているネットワーク•メタアナリシスの資料を参照されたい。)

それでこの研究では、ACE阻害薬が腎不全アウトカムについてARBに優るのではないかと示唆されている。

研究の最小フォローアップ期間は12ヶ月、対象者36,917名、試験数83、死亡2400名, 透析導入766名、クレアチニン倍増1099名となっている。プラセボとの比較において、

•ACE阻害剤のみが有意にクレアチニン値倍増が42%減少(オッズ比0.58, 95% 信頼区間 0.32 to 0.90)
•β遮断剤のみが7倍強の死亡率増加を示す(オッズ比7.13, 95%信頼区間1.37 to 41.39)
•全治療比較で、透析アウトカムに関して有意差なし
•ACEs阻害剤とARB比較で効果は有意差がなく、ACE阻害剤が3つのアウトカム(総死亡、透析、血清クレアチニン倍増)で一貫して、ARBに対する優位性あり
•プラセボと比較して、ACE阻害剤+カルシウム拮抗剤の予防効果は統計学的に有意でないが、この併用のランキングが最も死亡率減少率を高める可能性が高い(73.9%)、次いで優秀な組み合わせはACE阻害剤+利尿剤(12.5%)、ACE阻害剤(2.0%)、カルシウム拮抗剤(1.2%)、ARBs(0.4%)

ここではコストの側面からACE阻害剤を第一選択として、それで降圧不十分な際にカルシウム拮抗剤を追加するのが妥当として結論づけられている。ところで降圧剤には山ほど配合剤があるが、全部ARB+カルシウム拮抗剤もしくはARB+サイアザイド系の利尿剤。配合するにしてもマシな組み合わせにならないものかと思う。

【参考文献】
•Comparative effectiveness of renin-angiotensin system blockers and other antihypertensive drugs in patients with diabetes: systematic review and bayesian network meta-analysis
BMJ 2013;347:f6008
Lancet. 2015 May 23;385(9982):2047-56.
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2009  第5章 CKDと高血圧・心血管合併症 日本腎臓学会

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