皮膚外用剤混合の原則と軟膏混合による浸透率の変化

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

皮膚外用剤の混合は、多くの薬局で日常的に行われている。中でも圧倒的に多いのがステロイド外用剤と他剤の混合。本来、外用剤は混合する前提を想定で開発されているわけではないので、混合自体望ましいものではない。しかし、混ぜれば塗る手間は省けるし、浸透性の高いものと混ぜればより効果が得られることもある。ただし、配合の可否は「軟膏•クリーム配合変化ハンドブック」などで調べるのが原則だろう。皮膚科以外だと、この可否を調べずに薬を処方する医師は案外多い気がしている。

外用剤の混合は性質の近い基剤同士を選ぶのが原則

外用剤の混合は、混合後も基剤の特性が変化しないように、同じ基剤または性質の近い基剤同士(油脂性基剤とw/o型、水溶性基剤とo/w型)を選ぶことが原則となる。特性の異なる基剤を混合した際に外観がかわればすぐに分かるが、肉眼で変化がなくても性状に変化がないとは言い切れない。

表1 基剤の種類
軟膏_混合

性質の変化は効果発現や浸透性にも影響する。薬剤の効果に関わる主薬の皮膚透過性は基剤により異なり、一般に軟膏よりも乳剤性の方が優れる。このため、両者を混合して主薬の皮膚透過性をあげようとする処方もある。

軟膏の混合による浸透率の変化

ワセリンと軟膏など同じ基剤で混ぜる場合は嵩ましにしかならないが、乳剤性のものだと浸透率があがる。例えば、次のような油脂性基剤のステロイド軟膏と乳剤性基剤の保湿剤との組み合わせ処方はよくある。

アンテベート軟膏 or デルモベート軟膏 or リドメックスコーワ軟膏 などステロイド軟膏
            +
ヒルドイドソフト軟膏 or パスタロンソフト軟膏 or ケラチナミン軟膏 など乳剤性保湿剤

油脂性基剤のステロイド軟膏であるリドメックスコーワと乳剤性基剤との1:1の混合では、下図に示すように尿素製剤との混合時に皮膚透過性は4.5倍になり、ヘパリン類似物質との混合時に2.5倍になる。
リドメックス_透過比
アンテベートやマイザーなどでは、皮膚透過性がそれほどとはいかないものの、2倍前後にはなる。
マイザー_透過率変化
アンテベート透過率
混合の可否を調べることはもちろんのこと、皮膚萎縮などの副作用発現に影響する可能性もある浸透率の変化も気にとめておきたいものである。

【参考文献】
医療薬学 Vol. 29 (2003) No. 1 P 1-10
ステロイド軟膏剤の混合による臨床効果と副作用への影響の評価
東京逓信病院 大谷道輝

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