【抗生物質】(アジスロマイシン)ジスロマック錠&ジスロマックSRについて良く聞かれる質問

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マクロライド系の抗生物質の中でも変わった飲み方をするアジスロマイシン(ジスロマック)。なんでそんな飲み方をするのかとか、何日間効くのかとか良く聞かれるので回答をまとめておこうと思う。

Q1 3日間の服用で作用が7日間持続するタイプ、なぜそんなに長く効くの?

答えは、「この薬が体のいろいろな組織へ移行しやすく、血中から薬が消えた後も組織に長く留まるため」。結果として、3日服用でも細菌に対して有効な組織濃度が7週間持続する。従って、副作用も服用が終わった3日目以降においても出る可能性がある。下痢、肝機能への影響(倦怠感や皮膚や白目が黄色くなる黄疸)、発疹など出ないかは確認しておくことが大切である。半減期が長く、分布容積が大きいことから服用8日でも十分な組織濃度を保つことが添付文書の薬物動態の項目に書かれている。

Q2 一度にこんなにたくさん飲んで大丈夫なのか

一度にこんなにたくさん飲んで大丈夫ですか?というのもよく聞かれる。同時に1日だけ飲んでどれだけ長く効くのかということも。もちろん大丈夫で、それが正しい飲み方だ。クラミジアによる尿道炎、子宮頚管炎では1回に1000mgを服用することで、有効な組織内濃度が約10日間持続するとされている。250mgの錠剤なら1度に4錠飲む。服用後は2〜4週間経過を観察して効果を判定する。1回で終わるので服薬中断による治療失敗を招きにくいのもメリット。

因みに、性感染症は色々あるが、なかでも多いのが淋病とクラミジアで男性ではクラミジアによる尿道炎が非淋菌性の尿道炎の約半数を占め、淋菌性尿道炎におけるクラミジアの合併頻度は20〜30%にのぼる。男女ともに症状が自覚されない場合も多い。

女性のクラミジア性子宮頚管炎では、クラミジアが腹腔内にまで浸透して子宮付属器炎や骨盤内炎症性疾患を併発することもあり意外に恐い感染症である。卵管障害や腹腔内癒着を形成すると、卵管妊娠や卵管性不妊症の原因となりうる。妊婦においては、子宮収縮が促され流早産の原因になることすらある。

なお、性感染症診断・治療ガイドライン2011においてはそれらの治療薬としてマクロライド、ニューキノロン、テトラサイクリンなどが推奨されているが、アジスロマイシン1000mg1日1回、1日間服用は尿道炎、子宮頚管炎ともに推奨レベルAとなっている。

Q3 ジスロマックSRを1回でこんなに飲んで大丈夫?

これは、お渡しする時にけっこう聞かれる。この薬が抗菌効果を十分発揮するためには薬の服用回数よりも総服用量が重要というのがポイント。服用初期に十分な量の薬があることで効果を発揮しやすいために、一度に全て服用する。食後だと急激に吸収されすぎて作用が強くですぎてしまうことがあるので副作用防止の意味で、食後2時間以上の空腹時に服用し、次の食事まで 2時間以上あける必要がある。

ジスロマックSRのインタビューフォームに次の記載がある。

アジスロマイシン単回投与製剤 2g を空腹時及び食後(高脂肪食)投与した時の Cmaxは、食後投与時では空腹時投与と比較して 115%上昇し、AUC72hは 23%上昇した。Tmaxの中央値は空腹時及び食後で、それぞれ 6.0 時間及び 2.0時間であり、食後投与では空腹時と比較してTmaxが4時間早かった。 これらの成績から、アジスロマイシン単回投与製剤は、食後(高脂肪食)投与により、アジスロマイシンの Cmax及び吸収量(AUC72h)が有意に上昇することが示された。

これが最も効果的な飲み方であり、1回で終わるというのは服薬中断による耐性菌出現の防止にも大切だ。腹痛、下痢、気持ち悪さなどがでることもあるが大部分は軽度であり、副作用が問題になることは少ない。

 

蛇足ながらPK-PD理論的な部分に少し触れると、マクロライド系は時間依存的な作用をもつが、薬剤によって効果的な服用方法が異なる。エリスロマイシン(約1.6時間)では抗菌薬の血中濃度がMICを超えている時間(Time above MIC)が長いほど効果を示すので、1日量を分割して服用回数を増やす方がよいとされる。一方、クラリスロマイシン(約4時間)、アジスロマイシン(約60時間)などは半減期が長いのでAUC/MIC値が大きいほど効果を示すので、1日の総投与量を増やす方法がより効果的と考えられている。

Q4、ジスロマック細粒が苦くて子供が飲んでくれない。どうすれば良いか。

粉薬は苦味を防ぐためのコーティングが施されているものの、苦味を訴えるお子さんは少なくない。水以外では牛乳やコーヒー牛乳、ウーロン茶で飲むと苦味が出にくいとされている。アイスクリームやプリンに混ぜてもよいが、時間が経つとコーティングが剥がれて苦くなるので混ぜたらすぐ服用させる必要がある。

 オレンジジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ヨーグルトなど酸性のものと混ぜるとコーティングがはがれて苦くなるのでこれらは避ける

 

【参考】

•ジスロマック錠 ジスロマックSR の添付文書及びインタビューフォーム

•抗菌薬サークル図データブック 第2版 じほう

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