【変形性関節症、関節痛】Q、コンドロイチンやグルコサミンは効くのですか?

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コンドロイチンやグルコサミンは、軟骨のクッション作用に重要な役割を果たしているのではないかと言われている、とてもポピュラーな成分だ。コンドロイチンはコンドロン注射薬、コンドロン点眼液など医療用医薬品の成分として配合されている一方で、市販薬で飲み薬や点眼剤にも配合されている。また、法的に特殊な扱いを受けており(このあたりは説明すると長いので省く)食品のカテゴリでも配合されているものがある。

結論からいうと、あまり効果がないというエビデンスばかりなのだが説明を良く求められる成分でもあるので、どの程度のものか以下に紹介する。一般に、これらの成分の効果は中高年の膝の痛みの原因として多い変形性膝関節症(Osteo Arthitis:OA)に対する効果で検討されることがおおい。

有益性は不明

臨床研究の結果を統合して種々の治療法を評価しているBMJ Clinical Evidenceにおいて2007年に発表された論文では、両者共に同疾患に対して有益性は不明であるとしている。プラセボと比較して、コンドロイチンが疼痛を緩和するかは不明であり、安全な治療法ではあるものの変形性膝関節症の症状改善には僅かな改善しかもたらさないとしている。また、グルコサミンは疼痛の軽減にプラセボ以上の効果はもたらさないかもしれないとされている。グルコサミンの効果については効果ありとする研究もなしとする研究もあるのでどうしても曖昧な言い方になる。同論文にあった表を以下に示す。

表 変形性膝関節症に対する各種治療法(非手術)の効果
コンドロイチン_グルコサミン_変形性膝関節症
出典:BMJ Clin Evid. 2007 Sep 1;2007. pii: 1121.
一方安全性は概ね問題ないようだ。なお、手術では骨切りと膝関節置換手術があり両者はBeneficial(有益である)に区分されている。表からすれば、まずは服用以上に運動を試すのが良いのではないだろうか。膝の運動療法には「脚あげ体操」「横あげ体操」「ボール体操」などが知られている。先にこれらを調べてみて試されるのも良いかと思う。

痛みは0.3cmの低下

2010年にBMJにて発表された変形性膝関節症および股関節症に対する、コンドロイチンおよびグルコサミンをプラセボと比較したネットワークメタアナリシスがある(BMJ 2010;341:c4675)。

以下は、Visual Analogue Scale(VAS)という痛みの程度を0cm(痛みなし)から10cm(最大の痛み)までの目盛り付きのものさしの上に疼痛の程度を被験者自身が記入する方式で変化量をみている図であるが、
%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%82%b5%e3%83%9f%e3%83%b3_%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%ad%e3%82%a4%e3%83%81%e3%83%b3_%e3%83%97%e3%83%a9%e3%82%bb%e3%83%9c
10cmのVASで測定した疼痛の変化はプラセボに比べてコンドロイチンは-0.3cm、グルコサミンは-0.4cmだった。つまり、疼痛の度合いはわずかに減少しているが、臨床的には重要な差と言えるほどではないという結論であった。

2015年に出た各種研究を統合したレビューではどうか

2015年にコンドロイチンのシステマティックレビューがコクランより出ているが、6ヶ月服用時点における痛みの程度は、0〜100のスケールで、コンドロイチン服用群が18、プラセボ服用群は28だったので10ポイント低下であった。膝の痛みが改善したとした人がコンドロイチンでは100名あたり53名、プラセボでは100名あたり47名で、その差は6名(6%)であった。また、画像診断により、2年後の関節腔のスペース減少率をみているが(もちろん減少していない方が良い)、コンドロイチン服用群(0.12mm)がプラセボ群(0.30mm)に比べて0.18mm減少が少なかった。統合した研究に質の低いものが多く、なんとも言えないが副作用が増えているわけでもなく微量ながらメリットもあるので使用を否定する理由もさほどない。なお、もし飲むなら微量飲んでも有益性がまずないので、十分な用量を摂取することである。製品にもよりけりで、月に3000円以上はかかると思われるが。

薬との相互作用に注意が必要。また、服用についてどう説明すべきか

コンドロイチンは抗凝固薬のヘパリンと化学構造が似ているため、抗凝固作用を増強する恐れがある。また、ワーファリンとグルコサミンの併用によりINRが上昇した(つまり出血傾向が強く出た)症例が20例報告されており(Pharmacotherapy. 2008 Apr;28(4):540-8. )、メリットが小さいことを考えればワーファリン服用中は服用を避けるのが妥当である。

【参考文献】
1、BMJ Clin Evid. 2007 Sep 1;2007. pii: 1121.
Osteoarthritis of the knee.
Scott D, Kowalczyk A.
2、BMJ. 2010 Sep 16;341:c4675.
Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis.
Wandel S, Jüni P, Tendal B, Nüesch E, Villiger PM, Welton NJ, Reichenbach S, Trelle S.
3、Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jan 28;1:CD005614.
Chondroitin for osteoarthritis.
Singh JA, Noorbaloochi S, MacDonald R, Maxwell LJ.
4、Pharmacotherapy. 2008 Apr;28(4):540-8.
Potential glucosamine-warfarin interaction resulting in increased international normalized ratio: case report and review of the literature and MedWatch database.
Knudsen JF, Sokol GH.

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