【抗生物質】抗生物質は症状が改善しても医師の指示通り飲みきらなければならないのか

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

「抗生剤は耐性菌の発生を防ぐためにも、医師の処方したとおり飲みきって終了しましょう」。

根拠もないのに、こんなに広く受け入れられている説明があるだろうか。下手すると、薬歴を入力するレセコンにもこれに準じた定型文が入っていたりする。調べた限り、症状が改善した後も指示通りの量を飲みきることで耐性菌の発生が減らせることを示した科学的根拠はない

それどころか、短期間治療の方が長期間服用に比べて耐性菌の発生が少ないことを示している研究が次々と発表されている(こちらの文献の”References”にそれらの試験論文ソースが山ほど示されている)。

短期服用と長期服用で比較したランダム化比較試験は数多く行われており、市中肺炎、院内肺炎、腎盂腎炎、腹腔感染、慢性気管支炎およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪、急性細菌性副鼻腔炎、蜂巣炎、蜂窩織炎、慢性骨髄炎、尿路感染症など多岐にわたる疾患においてその是非が検証されている。

そして、そのいずれにおいても短期服用の有効性は長期服用に劣らない上に、長期服用の方が耐性菌の発生が多いことが示されている。下表は、短期と長期で比較した各疾患におけるランダム化比較試験における服用日数をまとめたものであるが、いずれの日数比較においても長期の優位性はなかった。
抗生物質_長期_短期
JAMA Intern Med. 2016 Sep 1;176(9):1254-5. より表を作成
総じて言えることは、「服用期間は短いほど良い」である。

患者さんに、「症状が良くなったら抗生剤の服用はやめて良いのですか?」と聞かれて
「(耐性菌の発生を防ぐために)指示通り飲み切りましょう」と答えるのはもうやめにしよう。

その患者個別に服用期間がカスタマイズされて然るべきなのだ。患者さんは良くなったらやめて良いのか医師に確認をとって場合によってはやめても良いだろうし(確認をとらずに自己判断で中止する方も多いだろう)、医療者側も根拠のないドグマにとらわれて考えなしに飲みきり指示をせずに、通常は症状が軽快したら中止しても良いと説明する方がベターであると認識を改めるべきであろう。

【参考文献】
JAMA Intern Med. 2016 Sep 1;176(9):1254-5.
The New Antibiotic Mantra-“Shorter Is Better”.
Spellberg B.
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