【C型肝炎薬】ハーボニー配合錠の相互作用、飲み忘れ時の対処方法、食事の影響について

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ハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビル配合錠)は極めて高額であることも手伝って、効果を少しでも無駄にしまいと服用者が普段以上に相互作用の面でどうしても慎重になってしまうように思う。そういうわけで、物凄く飲みあわせの質問を受けることが多い薬剤である。

受けた質問を今までメモってきたのだが、例えば以下のような感じ。

・空腹時服用とあるが、水も飲んではいけないのか?清涼飲料水は?
→水はOK。清涼飲料水は固形物や糖度が高くなければ概ね問題ない
・ハーボニー服用しだしてからお腹がゆるいのだがどうすれば良いのでしょう
→下痢の頻度はそれなりにあるが、緩い程度なら継続優先
・胃薬を併用してはいけないと聞いているが何か服用できないのか?
→胃酸を中和したり分泌抑制するような薬剤は吸収低下させるためNGだが、整腸剤、ビオフェルミンなどは服用可能
・ハーボニー服用開始。ウルソが手持ちにあるが、飲んでよいのでしょうか
→併用は問題ない ・ハーボニーを服用中に熱が出た。ハーボニーは熱が出る薬でしょうか?熱が出ても続けて良いのでしょうか。
→発熱との関連は不明だが、程度がひどくなければ原則継続する
・服用期間中にお酒を飲んで良いのでしょうか。
→アルコールの影響でウイルスが増えることは基本的にないが、節度をわきまえて。肝機能にも関わるので。
・ハーボニー飲んでいるが、便秘気味。酸化マグネシウムが良くないというが、他にいい薬はないか。
→アローゼン、ピコスルファート、プルゼニドなど刺激性の下剤、浣腸など
・風邪をひいた。PL顆粒を飲んでも問題ないでしょうか。 →飲みあわせは問題ありません。

と、まあ疑問は千差万別でキリがない。そこで、ハーボニー配合錠の飲み合わせの原則、飲み忘れ時の対処、食事の影響について以下にまとめる。

相互作用について

1、pHの変化に注意
レジパスビルは非常に溶けにくい物質であり、pHに依存して溶解度が変化するのが相互作用を考える上で重要な特徴である。よって、胃内のpHを変化させる薬剤(H2ブロッカー、プロトンポンブインヒビター、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、緩下剤である酸化マグネシウム)を服用する際に注意が必要である。

H2ブロッカー
ファモチジン(ガスター)などに代表されるグループだが、併用でレジパスビルの血中濃度が下がるので、本剤と同時に服用するかもしくは12時間服用間隔をあければよい

酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなど制酸剤
日本の添付文書には服用間隔の記載がないが、米国の添付文書によれば服用前後4時間間隔をあければ良いとある。

プロトンポンプインヒビター(オメプラゾールなど)
ハーボニー服用前にプロトンポンプインヒビターを服用するとレジパスビルの血中濃度が低下する。併用する場合は、空腹時に同時服用する。例えば、寝る前に同時服用するとか。患者さんの中には時間をずらすと説明を受けたことがある人もいたが、メーカーに確認したところそれは誤りであるとのこと。

こうしたpHを変化させる薬剤は市販薬にも多いため十分な注意を要する。

2、レジパスビルとソホスブビルはp糖たんぱく(P-gp)や乳がん耐性たんぱく(BCRP)の基質であることに留意
従って、リファンピシン、 カルバマゼピン、フェニトインが併用禁忌。 ソホスブビル(ソバルディ)と同様、アミオダロンとの併用注意、ジゴキシンは 血中濃度が上昇することを理由に併用注意となっている。アミオダロン長期服用時の消失半減期は19〜53日と極めて長いことから、服用前にアミオダロン服用中止した場合も心電図モニタリングが望ましいとされる。

海外でアミオダロン併用による死亡例があるものの、併用によりリスクが大幅に上がるかは不明であり併用注意にとどまっている。徐脈傾向には注意が必要である。

レジパスビルの BCRP 阻害作用により、ロスバスタチン(クレストール)のバイオアベイラビリティが増加し、結果として横紋筋融解症など副作用リスクが高まるため併用注意となっている。プラバスタチンでも血中濃度やAUCが上昇するが、ロスバスタチンはその上昇率がそれよりもはるかに高いため特に注意が必要と思われる。

飲み忘れに対する対処方法

薬が薬なだけに、飲み忘れてどうしようと慌てふためいてしまう方もしばしばお見かけする。 例えば、「毎晩8時服用だが、昨晩飲み忘れた。どう飲めばよいか?」とか「いつもハーボニーを9時ごろ飲んでいるが、今日寝過ごしてしまってまだ飲んでいない。今からで大丈夫ですか?」などと聞かれたことがある。これに関して、メーカーのギリアドサイエンシズに確認したところ次の回答を得た。 「一般的には飲み忘れに気づいた時点で服用し、その日の服用はそれのみとし、その翌日から従来通りの服用時点で飲む。同一日に2回飲まないという原則を守る。薬を体内から切らさないようにすることが大切

食事の影響ー食後服用と食前服用どちらが良いのか

「朝食後で処方されたが、食前の服用は可能でしょうか?すでに治療開始している知り合いと話していたら、その人は食前服用だったので疑問になりました」。これはある人から実際に聞かれた質問である。

インタビューフォームに空腹時服用と食後服用の比較があるが、血中濃度に大きな差はなくどちらでも問題ないと考えられる。

ただし、高脂肪食(1000キロカロリー超)摂取後の服用で多少吸収低下するデータはある。しかし、通常の食事であればまず問題になるような影響はなさそうである。 併用薬次第では、空腹時服用指示されることがある(例;PPI併用時)ので、全ての人が同じ用法で服用するとは限らない。

【参考文献】 ハーボニー配合錠 承認審査資料概要、添付文書及びインタビューフォーム

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