【睡眠導入剤】ためしてベルソムラってんにはさすがに驚いた

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ためしてガッテンのおかげでベルソムラがとても話題になっている(例えばYahoo!ニュース)が、血糖コントロールに対して使用するなど初耳だ。ベルソムラはMSD株式会社が販売している睡眠薬だが、その概要は以前に簡単に紹介した。とてもユニークな作用機序の薬ではあるが、副作用は比較的多く、効果もさほどではない。http://drug.tokyo.jp/archives/1102

日本睡眠学会はこの放送を不適切として、許容できるものではないとの見解を発表している(http://jssr.jp/pdf/20170227.pdf)。ごもっとも。

この薬は相互作用が極めて多いので、他の薬との飲み合わせでかなり気を使う必要がある。併用注意の薬と一緒に処方されることが多い。下記はそんな一例だが、他にも色々あり安易に使うことは避けたい薬である。http://drug.tokyo.jp/archives/1105

生活リズムや睡眠リズムが崩れればどんな疾患になりやすいか、以前紹介した(http://drug.tokyo.jp/archives/830)が当然睡眠リズムが改善すればそうした疾患が改善する可能性は想像できる。そして、睡眠と血糖や肥満の関係について調べた研究は沢山ある。しかしながら、睡眠剤を持って改善させようとするのは手順としておかしいように思う。

医学文献のデータベース、MEDLINE(PubMed)で検索しても医学エビデンス集のDynaMedで検索しても当該薬剤と糖尿の関連を検討した臨床文献は見つからなかった(2017/2/27検索)。

製薬会社がその薬剤の適応外使用(本来の適応症とは異なる使い方)をプロモーションしたら、完全にアウトなのだが、医師がいうのはどうなのか。MSD自体は当然ながら、 NHKに情報提供はしていないと医療関係者向けホームページに掲載はしている。

こと医学系の学会などでは、発表者がCOI(Conflict of Interest;利益相反)を開示するのが半ばルール化されているが、番組ではこうした開示はなされていないようだ。ベルソムラの製薬会社と関係者の利益供与関係がもしあれば、これもまた問題である。

というか調べたところ、監修医はMSDとCOIがあるようだ。問題だらけで、非難轟々なのも納得だ。放送倫理・番組向上機構(BPO)で審議したらどうなるのだろうか。

NHKは謝罪文を載せているが、これでその医師の名誉が挽回されるとも思えない。起こってしまったことは取り返しがつかない。責任というものは、とろうとしてもとれないものだ。

医師であれば、複数の観察研究かランダム化比較試験か、システマティックレビューか何れにしても信頼度の高い方法で検討された知見をもってものごとを語るのが妥当かと思うが、医学論文ですらなく、出典もわからないものを平気で拡散するとはこわいもの知らずなのか、相当な勇気がおありになるのか。真意は僕にはわからない。

糖尿病に処方したって保険適応は通らないのだから、裏技のような出し方でしか処方は出せまい。患者さんに頼まれて渋々裏技使って出す人がいるんだろうか。処方量動向はどうなるんでしょうな。

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