新薬のリスク

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

いつの時代も最新のポルシェが最良のポルシェである。
という言葉があるそうだ。ポルシェは進化し続ける。常に先代を凌駕し続けるという。

医学も進歩する。

昔のハーバード大学医学部長の Charles Sidney Burwell氏が当時の学生に言った有名な言葉がある。
“Half of what we are going to teach you is wrong, and half of it is right.
Our problem is that we don’t know which half is which.“

主旨は「医学の教科書に書いてあることの半分は、将来、間違っていることが証明される」
といったこと。まっとうな医師のセリフだと思う。

「自分は正しい」という前提にたつと、しばしば誤りを認められなくなるもので
こうした言葉を戒めとしてもつことは大切だろうし、
進歩する知識に対して自分をアップデートしていくことも必要だ。

「常に自分は間違っているかもしれない」「人は間違うものだ」という前提を踏まえて、
誤りがあれば認めて改善する という態度は年をいくら重ねても失わずにいたいものだ。

医療に携わっていると年のいった人がアップデートされていない知識で
説明している場面と時々目にするので余計そう思う。

さて医学が進歩して、製薬技術も進歩する。
新しい薬は次々と開発され我々の知識のアップデートが追いつかないほどだ。
では新薬はポルシェ同様、古い薬よりベターなのか。

それは、そうとも言い切れない。

なぜか。

薬の属性は自動車と異なり分かりにくいし、検証が難しい。
データを取るのにかかる時間は膨大であるし、仮に100人に試してOKだとしても
市場に出て何千人、何万人と使われたら異なる効果や副作用が出たなんてこともある。
人間には個人差がある。

現に、一度承認されたのに、発売後に予期せぬ副作用が問題となりマーケットから
撤退した例は枚挙にいとまがない。
また承認前に分かっていたリスクが拡大するのは言うまでもないことだ。
試験する人数とマーケットの人数では母数が桁違いなのだから。

現実社会での十分な試練を経ていないという点では、新入社員も新薬も全く同じだが、
人間の場合には新人が頼りないと思われ、物や技術の場合には古いものが蔑まれる傾向にある。

そういえば先日、最近の新築マンションにある設備で生ゴミを粉砕する「ディスポーザー」について
こんなことを言っている人がいた。
「最新の設備だと短期的な便利さや目新しさから無条件に礼賛する人がいる。
 確かに生ゴミの臭いはしなくなるし、マンションのゴミ置き場もクリーンになる。
 でも裏を返せば、処理施設がどこかに存在しているわけで、もっとことが蓄積していった後の
 対処、機械の修繕などをどうするかという実績も積み重なっていない」と。

なるほど。

新しいモノや新薬には未知のリスクがつきものということになる。

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