【パーキンソン病】添付文書では見逃しがち。病態を悪化させうる4つの相互作用

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薬物同士の相互作用であれば、薬の情報用紙や添付文書にも書かれていることも多く、注意することも多いのだが、市販薬、サプリメント、食事との相互作用は見逃されることが少なくないように思う。今回は、パーキンソン病の患者さんが薬を服用する際に知っておくとよい薬以外でも起こりうる相互作用を紹介する。

ビタミンB6

ビタミンB6は様々な市販薬、サプリメント、食事などに含まれているし、飲んでも通常害がないのであまり服用に注意を払うことがない。パーキンソン病だと、二次的に肩こりや腰痛、便秘が悪化したりして市販のビタミン剤や便秘薬を使われる方がいる。最近薬の効きが悪くなったと言われ、聞いてみたら市販薬を飲み始めていたなどということもある。

パーキンソン病治療薬のレボドパ(例;ドパストン、ドパゾール)とピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)は併用注意で効き目が落ちる可能性がある。これは、代謝物であるピリドキサールリン酸がDOPA脱炭酸酵素の補酵素として働くため、レボドパの抹消での脱炭酸化が促され、レボドパの脳への到達量が減少するためと考えられている。

市販薬で眼精疲労、肩こり、口内炎、肌荒れなどに使われるものや、便秘薬などでもビタミンB6が配合されているものが多く要注意だ。なお、脱炭酸酵素阻害剤が配合されているレボドパ合剤(メネシット、マドパー等)では、このような現象は発生しないとされている。

PPIやH2ブロッカー(胃酸分泌抑制薬)

薬物間での相互作用ではないからだとは思うが、添付文書に記載がなく見落とされがちな相互作用。第一三共のホームページによれば、レボドパやカルビドパは酸性で溶解しやすく中性〜塩基性で溶解しにくいため、胃酸の分泌を抑える薬剤を使用すると消化管吸収が落ちるという報告があるとのことである。

更に、同ホームページによれば
無酸症やH2ブロッカーもしくはPPIなどを使用中の場合、消化管からの吸収が低下し、十分な効果が得られない可能性があるため注意が必要であるという報告があります。そのため、胃酸分泌低下のあるパーキンソン病患者にレボドパを投与する際に、レモン汁によって酸を補充することにより、臨床症状と血中レボドパ濃度の改善が認められることが報告されています。

高齢パーキンソン病患者においてレボドパの吸収は、空腹時胃酸分泌が良好な症例および酸分泌刺激に反応する症例では良好でしたが、酸分泌刺激に反応しない症例では不良でした」。

との記載がある。実際、胃酸分泌抑制薬を服用中の方で薬剤の効きが悪くなったことを訴える方に会ったこともあるが、この可能性を知らなければ訴えをスルーしかねない。

金属イオン(鉄、アルミニウム、銅など)

鉄、アルミニウム、銅などはレボドパとキレートを形成して消化管吸収が落ちる。こちらはレボドパ単剤のみならず、配合剤も含めて注意が必要。市販の胃腸薬やカルシウム剤などで銅が含まれているものが意外に多いので気をつけたい。

乳製品

乳製品の消費と牛乳の摂取がカルシウムとは無関係に、パーキンソン病の発症リスクをあげる可能性を示唆した疫学研究が存在する。また、上記で紹介したようにカルシウムがレボドパの吸収を妨げる側面があるので過量摂取は禁物である。

高たんぱく質

高たんぱく質の食事の後に、レボドパの吸収は低下するとされている。パーキンソン病の症状には日内変動が出ることがあり、こうした場合のコントロールにおいてレボドパの血中濃度を安定させることが大切とされている。高たんぱく食が日内変動に寄与するのではないかとする研究もある。

【参考文献】
1、Failure of vitamin B6 to reverse the l-dopa effect in patients on a dopa decarboxylase inhibitor
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 1971 Dec; 34(6): 682–686.
2、第一三共Medical library>製品情報>レボドパ製剤(ネオドパストン、ネオドパゾール、ドパゾール)
3、The emerging role of nutrition in Parkinson’s disease
Front Aging Neurosci. 2014; 6: 36.
4、Motor fluctuations due to interaction between dietary protein and levodopa in Parkinson’s disease.
J Clin Mov Disord. 2016 May 26;3:8.

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