【抗うつ薬】SSRIの中断で起こりうる症状&漸減で中断症状が減らせるか

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SSRIは抗うつ剤の中でも良く使われる薬であるが、中断症候群があることが有名である。そんな中断症状を予防するために、急激に中止せずに、徐々に減らす(漸減という)のは良く行われている手法である。

そんな中、SSRIの中断症候群に関するシステマティックレビューが2015年に発表されている。以前紹介したPRISMA声明に則って行われていて、フルオキセチン(商品名;プロザック)、セルトラリン(商品名;ジェイゾロフト)、パロキセチン(商品名;パキシル)、シタロプラム(日本で発売なし)、エスシタロプラム(商品名;レクサプロ)とプラセボまたは他の抗うつ剤を比較したランダム化治療中止試験15件、オープンラベルでの試験4件、後ろ向き研究(症例報告)4件に分けて解析が行われている。

ランダム化治療中止試験においては、服用継続群よりも中止した群で有意に中断症候群が発現しやすいことが分かっている。なお、漸減することで中断症候群が減らせるとする研究も含まれていた一方で、漸減しようがしまいが中断症候群が発現する割合は変わらないとするものもあった。基本的には漸減と急激な中止を比較しても、前者が有意に優れているわけではないという結果であった。
正直、漸減で中断症候群を減らせないというのは意外だ。

中断症候群として観察された症状は多岐にわたり、特に多かったのがめまい、ふらつき、吐き気、頭痛、倦怠感、混乱などで、症状の報告としてあがったものは下表の通り。

 感覚器系 症状
一般的症状 インフルエンザ様症状、疲労、衰弱、疲れ、頭痛、頻脈、呼吸困難
平衡感覚異常 歩行不安定、運動失調、めまい、軽度の頭痛、めまい
感覚異常 電気ショックを受けたような感覚、筋肉痛、神経痛、耳鳴り、味覚変化、痒み
視野異常 視界がぼやけるなど視覚の変化
運動神経系 振戦、ミオクローヌス、運動失調、筋硬直、ぴくつき、筋肉痛、顔面麻痺
血管運動系 発汗、火照り、寒気
睡眠 不眠、鮮明な夢、悪夢、過眠、嗜眠
消化器症状 悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛
情動系 不安、興奮、緊張、パニック、うつ病、自殺念慮、いらいら、衝動性、攻撃性、怒り、泣く、気分の変化、非現実感、自分が自分である感覚の喪失
精神系 幻覚、幻聴
認知系 錯乱、集中力低下、記憶喪失
生殖器系 生殖器過敏症、早漏

中断症候群の期間は中止後1〜5日で消えるものもあれば、2ヶ月ほど続く例もあったりでかなり幅がある。概して、中止数日で発症し、数週間で消失するパターンが多かった。いずれのSSRIでも中断症状が出る可能性が示されており、特にパロキセチンにおいてその頻度が多い。中断症候群というよりもベンゾジアゼピン系、バルビツレートや他の抗精神病薬と同じく離脱症状と捉えるべきであると筆者は述べている。SSRIはとても扱いが難しい薬である。

【参考文献】
Withdrawal Symptoms after Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Discontinuation: A Systematic Review.
Psychother Psychosom. 2015 Feb 21;84(2):72-81.
Fava GA, Gatti A, Belaise C, Guidi J, Offidani E.

—–抗うつ薬に関する他の記事はこちら—
“抗うつ薬は本当に効果があるのか”
http://drug.tokyo.jp/archives/642

“抗うつ薬をいつまで続ければ良いのか”
http://drug.tokyo.jp/archives/209
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