【高血圧】カルシウム拮抗薬の主要な副作用まとめ/頭痛、ふらつき、むくみ等とその対策

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カルシウムチャネル遮断薬は、高血圧、狭心症、心臓不整脈、および他の障害の治療に広く使用されている。長時間作用型製剤は特に頻繁に処方されており、それらの使用が心臓血管事象のリスクを低減することが知られている(JAMA. 2014 Feb 5;311(5):507-20.)。本稿では、これらの薬剤に関連する主要な作用と副作用についてまとめ、次回は因果関係が不明であるマイナーな副作用についてまとめる。

カルシウム拮抗薬の種類

カルシウムチャネルブロッカーは、細胞上のL型カルシウムチャネルを阻害するが、その生理学的作用によってジヒドロピリジン系と非ジヒドロピリジン系(ベンゾチアゼピン系とフェニルアルキルアミン系)という2つの主要なカテゴリーに分けられている。

ジヒドロピリジン系

例)ニフェジピン(アダラート)、ニカルジピン(ペルジピン)、アムロジピン(ノルバスク、アムロジン)等

心収縮または伝導にほとんど影響を及ぼさない強力な血管拡張剤。一般的に、高血圧および慢性安定狭心症を治療するために使用される。各薬剤により作用持続時間が異なる。長時間作用タイプは一般により安全と考えられており、よく使われる。

非ジヒドロピリジン系

例)ベラパミル(ワソラン)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)
血管拡張剤としての作用はジヒドロピリジン系よりも弱いが、心臓の収縮力や刺激伝導を抑える作用があり動悸や不整脈の治療によく用いられる。

各グループのメジャーな副作用

副作用はそのタイプと投与量によって異なってくるが、メジャーなものを以下に列挙する。

頭痛、紅潮、末梢浮腫および逆流性食道炎
ジヒドロピリジン系(例、アムロジピン、フェロジピン、ニフェジピン)は、最大20%ほどの患者で頭痛、紅潮、末梢浮腫を引き起こす可能性がある(J Hum Hypertens. 2001 Jul;15(7):455-61.)。また、逆流性食道炎悪化もジヒドロピリジン系で招きやすいことが知られている(関連記事:【血圧降下剤】カルシウム拮抗剤による胃食道逆流症状(GERD)への影響)。

便秘と徐脈
非ジヒドロピリジン系のベラパミルおよびジルチアゼムの主な副作用に便秘があり、最大25%ほどの患者に発生する可能性があるとされている。また徐脈傾向や心拍出量の低下を招くことがある。従って心不全のタイプによっては禁忌となり、βブロッカーを服用中の患者で使用することは望ましくない(N Engl J Med. 1999 Nov 4;341(19):1447-57.)

歯肉増殖
ジヒドロピリジン系と非ジヒドロピリジン系いずれにおいても報告がある

むくみ/浮腫
ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬に多く、用量依存的。非ジヒドロピリジン系に比べジヒドロピリジン系の浮腫のリスクは2〜3倍高く、高用量でよりリスクが高まる(Hypertension. 2000 Feb;35(2):621-5.)。むくみは足の甲やくるぶしなど、下肢の他、まぶたや手足に生じることもある。

むくみを生じる機序は、カルシウム拮抗剤の血管拡張作用が 末梢動脈>末梢静脈 であるため、末梢動脈の拡張に対して、末梢静脈の拡張が伴わず毛細血管の圧力が増大して、結果的に血液成分が血管外に漏れだすためであろうと考えられている(J Hypertens. 2011 Jul;29(7):1270-80.)。

例として、12人の健常人にニフェジピンを単回投与した研究では、ナトリウム排泄量が増加したにも関わらず、足のむくみが増えている。なお、むくみと言えば利尿剤で対処できるのではと思われがちだが、カルシウム拮抗薬によるむくみは血漿量の増加が原因ではないため、利尿剤が奏功しにくい(J Hypertens. 1996 Aug;14(8):1041-5.)。

一方で、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)のいずれか、即ちレニン-アンギオテンシン系の阻害剤を併用すると、カルシウムチャネル遮断薬による浮腫の発生率および重症度が有意に低下する(Am J Med. 2011 Feb;124(2):128-35.)。この効果は、両者の静脈拡張作用により毛細血管の圧力が低下することに依るものと考えられている。

因みに、心臓の働きを抑える作用がある非ジヒドロピリジン系でむくみが出た場合は、上記の理由ではなく心不全を疑う必要があり早急な対処が求められる。

以上を表としてまとめておく。これらの副作用を可能性として頭にいれておけば、いざこうした訴えが出た場合に被疑薬を早期に特定し、適切な対処ができると思う。

感覚的には、ふらつきや頭痛、徐脈は注目されやすいが、便秘、むくみ、逆流性食道炎は見逃されることが多いように思う。

ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬による副作用への対策

一般に、カルシウム拮抗薬の副作用は用量依存性であるため、副作用改善の方法として単純に減量することがあげられる。CYP3A4が関わる代謝経路なので、この経路に影響を及ぼす他の薬剤を服用中か大量のグレープフルーツジュースをとる患者では、併用を避ける(関連記事“Q、グレープフルーツと薬の相互作用は何時間持続しますか?”)。

まとめると、副作用への対処は主に以下の3つ。
•用量を減らす(用量依存性であるため、減量すれば副作用も減る)
•非ジヒドロピリジン剤へ切り替え
•レニンーアンギオテンシン系遮断薬の追加

頭痛やふらつきは比較的よくみられ、重度なら中止する場合もある。むくむにしても、足の甲やくるぶしがむくむと、靴が履きにくかったり、歩きにくさが生じてかなり不便である。薬剤の中止か減量を考慮することは十分にありうる。

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