カフェイン その知られざる作用

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

コーヒーや茶に含まれるカフェインを摂取すると、
眠気が解消されることは多くの人に知られていることだろう。

カフェインは薬としても販売されており、その説明書には

「カフェインは、大脳皮質を中心に中枢神経を興奮させ、
脳幹網様体の賦活系の刺激により知覚を鋭敏にし、精神機能を亢進させる」

と記載されている。短くいうと中枢興奮作用がある ということだ。

しかし、そうした視点にとらわれると
しばしば新しい角度から物事を見れなくなってしまう。

米国の科学誌“Science Translational Medicine”に掲載された
“Effects of caffeine on the human circadian clock in vivo and in vitro”
という論文を読んでそう思った。

ここには、カフェインによる眠気の遅延が
中枢神経の興奮作用以外の仕組みでも起きているという結果が
示されていたのである。

具体的には、就寝3時間前にカフェインを摂取した場合に
「メラトニンの分泌量増加の遅れ」平たく言えば「体内時計の遅れ」が生じる
という研究結果で、その遅れ約40分。

そして、それは
就寝時から3時間にわたって3000ルクスの明るい光(夕刻の光に相当)を
照射した場合の遅延時間のほぼ半分に匹敵するとも書かれている。

論文の共著者であるKenneth Wright氏によれば、
「パンのカビや緑藻類、ウミカタツムリなどではカフェインが
細胞内の時間リズムを変動させる可能性があることが分かっていたが、
それをヒトに当てはめて調べた人はいなかった」そうである。

この研究は今までヒトについては知られていなかった
カフェインが生理機能に与えうる影響をまた1つ明らかにしたのである。

メラトニンは眠りを誘ういわば「睡眠ホルモン」だ。
メラトニン分泌増加の遅れを生じさせる作用があるということは、
すなわちカフェインが時差ぼけ解消に使える可能性があることを示唆する。

かくも有名なカフェインですら主作用とされている「興奮」に
目がいき、今回のような作用がつい最近まで分からなかった。

こう考えると、既に薬理作用が明らかとされている他の医薬品でも
主作用の陰に隠れて研究すらされていない作用が多くあるのでは 
と想像が膨らむ。

実際、多くは統計的に無視されてしまうものの
因果関係が不明な薬の副作用など山ほどあるのだ。

研究結果から類推すれば、
「睡眠のリズムを保つには夜にカフェインを控えるべき」
とよく言われるアドバイスは当を得ていたのだ。

光とカフェインの作用の比較が論文内にあったが、
国際空港の中には、体内時計をリセットし新たなタイムゾーンに調整する
光子シャワーのブースを備えたところもある。

この太陽光の効果を再現した青色光を放射する光のシャワーブースは、
英オックスフォード大学のRussell Foster教授
の発見に基づき開発されたものだ。

フォスター教授は、人体の24時間周期のリズムの調整を助ける
新たな光受容体を目の中に発見したとされている。

因みに同氏はTEDの中で睡眠に関してとても興味深いプレゼンを披露している。

光のシャワーも良いが、仮に上記の論文通り
ダブルエスプレッソ1杯分のカフェインで強い光の半分ぐらいの効果が
見込めるのであれば より手軽な手段となろう。

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