飲み合わせの確認と無用の用

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

薬手帳をご存知だろうか。

処方された薬や服用している薬の履歴を順次記録していく小さな1冊の手帳のことで、
それを医者や他の薬局へ提示することでいつでも薬の飲みあわせの確認がとれる
ようにしたものだ。多くの薬局では無料で配布している。

1冊にまとめるというのがポイント。
それぞれの医療機関で冊子を分けて記録している人がたまにいるのだが、これは間違い。
飲み合わせ確認のための冊子なのだから、
1冊に時系列で全部の記録が入っているのがベスト。
薬局で手帳に服用薬の記録をつけた上で、飲み合わせや重複がないかを確認すると点数がつく。
点数として算定されるように至った経緯は他に譲るが、
その点差 7点(=70円) 保険で3割負担なら20円 1割負担なら10円。
自己負担10~20円の差。

これが時に議論の元となることがある。

何でそんなので議論になるの?と思われるかもしれない。
僕もそう思う。患者さんでも、この点差を気にしている人はあまり見かけない。

でもテレビなどで、このあるなしでお金が節約できるとか煽るから大騒ぎになる。

震災時に記録が流れた際に、手帳が役にたったのは記憶に新しいこと。
手帳のような形で、手元に記録をもっていた人が避難所などで、普段自分が飲んでいた薬
あるいは同系統の薬をスムーズに貰うことができた。
最近は紙ではなく電子的記録に移行してきている。それも良いと思う。
手帳を使う使わないは勿論自由だ。

例えば臨時で風邪薬が出ただけの人、普段薬を飲まない人
1種類しか薬を使っていない人、自分で記録をつけて飲み合わせも確認できる
知識のある人、以前から服用薬が変わらず飲み合わせを改めて確認する必要がない人

薬局で手帳を提示しなくても問題ない人は多い。

逆に多剤併用していて自分で飲み合わせの確認もままならないのに、
10円を節約して、チェックがいらないと主張する人もいる。
相互作用で事故ることを考えたら安いと思うが。

手帳を見せた上で飲み合わせだけ薬剤師に確認させて
(料金発生するのが嫌だから)記録は自分でつけるという人もいる。

確認出来る分安心して渡せるが、
よく平気で明らかに人に嫌われるような行為がとれるなーって思う。
サービスが「ただ」で「当たり前」のものとして接しては
良い客になり得ない。

薬剤師というのは、相互作用の見落としをしないために
結構な知識量を勉強している(はずである)。

その勉強してきた背景知識を駆使して、飲み合わせを最終チェックする。
とはいえ、処方する医者も最低限のある程度飲み合わせは確認しているはずで、
問題ない場合も多く、消費者的にはそのチェックが「意味のない行為」と思えるのかもしれない。

確かに、その知識が役に立つ場面は全体の数%に過ぎないのだから多くの消費者にはそうなのだ。
でも、何百件に数回はそういう相互作用のエラーが見つかる。
数%でも事故があれば大問題。

信頼というのは99間違いなくやっていても1間違えれば簡単に崩れる。
100ー1=0 という方程式が成り立ちうるのがこの業界。
原発や航空機も似たようなことが言える。

無用の用というのがある。
例えば、我々がたつ大地は限りなく広いが、
今必要なのは足を置いている僅かなスペースに過ぎない。
だからといって、足の大きさだけ残して周囲を地底まで掘り下げてしまったらどうなるか。

それでも残した部分が我々の役にたつだろうか。
無用なものこそが有用であるとする例え話だ。

上記のような背景知識というのはそうした所にあると思う。
無用があるからこそ有用がある。さらに無用であるからこそ有用でありうる。

そんな知識をこれからも積みましていく。
それが消費者を守る立場にいる職業人のつとめでもある。

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