医学史上に革命を起こした15の業績

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始めてきた方は「薬と健康のホンマでっかな情報発信局とは」をお読みください。

以前、BMJ(British Medical Journal)誌で興味深い特集が組まれたことがあった。
同誌の1840年の創刊以来 医療の飛躍的発展をもたらした15の偉大な業績というものである。

BMJは医学系の雑誌としては世界でもトップジャーナルの1つで、
医学論文や研究のレビュー、最新ニュース記事等を掲載し、
世界中で医師や研究者に読まれている。

投票対象として、我々の健康や医療環境に大きな変化をもたらした15の候補が挙げられた。
その項目に対して、読者投票を募集した。アイドルの人気投票のような方法ではあるが、
このリストはとても納得がいく内容だった。

投票には、イギリスをはじめアメリカ、カナダ、イタリア、スペインなどから11,362名の医師、看護師、研究者、学生たちが参加した。

リストに挙がった発明・発見はすべて、人びとの健康を改善し、命を救うために役立つもので科学の功績を十分に示すものであった。

15の項目と得票順位は下表の通り。

15discoveries

さて、各項目毎に触れていこう。

1、画像検査(X線など)
レントゲン検査ができる以前は、身体の中を透かしてみることなど出来なかった。
そして、今日ではCTやMRIという高度画像診断技術へと進化している。

2、抗生物質
まさに特効薬と言える薬である。1929年にアレクサンダーフレミングがペニシリンがバクテリアを殺す可能性を報告した。
安価で大量生産する方法は第二次世界大戦の頃にアメリカにおいて確立され、数々の戦傷者を感染症から救ったのみならず、
性感染症者の治療にも役立った。抗生物質は本当に薬の歴史を大きく塗りかえ、多くの病気の治療に役立ち、何億人もの命を救ってきた。

3、麻酔薬
外科手術を革命的に進展させたのは何と言っても麻酔薬に依る所が大きい。

4、経口補水療法
発展途上国では毎年数百万人が下痢で死亡、その殆どは5歳未満の子どもたちである。
これらの死亡の9割弱は安全な水の供給や公衆衛生の改善で防ぐ事ができるとされている。
シンプルではあるが、塩や砂糖など電解質ミネラル類とクリーンな水を含んだ経口補水液は多くの命を救っている。
下痢からの回復を助け、過去二十五年間に五千万人の子どもたちの命を救ってきた方法だ。

5、向精神薬(クロルプロマジン)
統合失調症治療を劇的に変えた薬である。これによって精神科患者の保護施設が激減したほどである。
今まで、まともにコミュニケーションが取れなかった精神疾患患者と対話が出来るようになったり、
攻撃性と妄想状態を改善したりと功績は大きい。
今でも、様々な向精神薬の効力の基準としてクロルプロマジンが目安として使われている。

6、ワクチン
病気にならなければ合併症や後遺症を残すこともない。
予防は治療に比べて、より少ない費用で多くの人々の健康を守ることができる。合理的な対処だ。
ワクチンのおかげで多くの病気を予防できるようになり、やはり何億人もの命が救われた。

7、公衆衛生分野の改革
安全な水の確保や汚水処理が人類もたらした恩恵を考えればランクインするのも頷ける。
しかし、全世界規模でみると安全な水へのアクセスがない地域もまだまだ多い。

8、経口避妊薬(ピル)
バースコントロールを可能にした功績は大きい。

9、微生物病原説の理論
媒菌説(伝染病は微生物によって引き起こされるという説)
感染症の予防や治療において重要な知見を与えてくれた。

10、コンピューター技術
コンピューターによって遺伝子の解読が可能となった。
医師が体とその機能を3次元マップで見る事が出来るようになったのもこうした技術によってである。

11、DNA構造の発見
例えば、これによって新生児は予めスクリーニングによって遺伝的な病気を検出できるようになったし、
手術を受ける患者の血液タイプを解析できるようにもなった。
1950年にワトソンとクリックがDNAの構造を発見して以来、遺伝子タイプに応じて薬を開発する事もできるようになってきた。

12、疫学研究による喫煙リスクの発見
喫煙の危険性が明らかにされたおかげで、多くの命が救われたことだろう。

13、Evidence Based Medicine (科学的根拠に基づいた医療) EBM
これについては別に書いたが、
EBMはカナダのマクマスター大学デイヴィッド•サケット氏により
「一人ひとりの患者の治療方針を決めるにあたり、現時点でもっとも優れた科学的根拠を、
細心の注意を払いつつ、はっきりと明示的に、分別をもって利用する行動様式」と定義されている。

何となく経験則や好みで治療を行うのではなく、臨床試験などで証明された科学的根拠及び
患者の価値観や背景などを踏まえてしっかり治療方針を決定しようということである。
医療を「危険な賭け」から「合理的学問」へと昇華させた功績は大きい。

14、免疫学の進歩(モノクローナル抗体のテクノロジー)
免疫系が拒絶しないモノクローナル抗体の発見は、疾病の治療を大きく変えた。
リウマチなどの自己免疫疾患治療、臓器移植の拒絶反応の抑制など様々な場面で応用されている。

15、組織培養技術
組織培養技術は過去発表されたノーベル医学賞をとった研究のうち
20個弱に関わっている。 そのくらい様々な研究に応用され、時に画期的な成果を残している。

 

相互に関わる項目もあるので、投票するのも迷いそうだ。
読者なら何を選ばれるだろうか。

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