正しい血圧の測定方法

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

先日、高血圧の方と話していたら、血圧の薬をいきなり急激に減らすことになったという。

あまり見た事がないレベルで急激だったので何でだろうと
思っていたら答えは次の通りだった。

「今まで使っていた古い血圧計が調子悪くなって。
新しいものに変えたら今までよりも低い数値が出て
そっちが正しい数値みたいだったんですね。
それをお医者さんに見せたら薬を減らしてくれました」と。

必要のないものを無駄に続けていたとは何たること。
正しい機器と方法で測定することは大切だと思った次第だ。

血圧の測定は特に循環器系の疾患リスクを測るのに有用だが、
間違って行われては身もふたもない。

シンプルなことだが、使用機器が故障していないことを前提とした上で
正しい測定法を3つのポイントに分けて以下に記していこう。

血圧の測定回数について

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン(JSH)2014(案)では

「1日2回朝晩測定で,1機会に原則2回測定とし,平均値をその機会の血圧値として用いる」

とされている。1回しか測っていない人、多い。
そもそも検診でも一回しか測らない担当者が多い。

もっと大真面目に血圧の測定方法を研究した論文がある。

それがこちら。
Measuring blood pressure for decision making and quality reporting: where and how many measures?
(Ann Intern Med 2011;154:781)

この論文では

測定回数について次のようにかかれている。
「1機会の血圧の測定回数については,特に1回目の血圧値とそれ以降の値の落差が大きく,
回数を増やす毎に平均値の変動が小さくなり,ほとんど変わらなくなるまでには4~6回以上の測定が必要」

BP

※Figure1 補足
Research SBP variance(研究施設で測定した収縮期血圧変動),
Clinic SBP variance(診察室で測定した収縮期血圧変動),
Home SB variance(自宅で測定した収縮期血圧変動)の順に変動が小さくなる)

細かいことは端折るが、測定回数が増えればバラツキが小さくなる様は
何となくビジュアル的にお分かり頂けるだろうか。

この論文の結論は、「バラツキを最小化するには
5回以上測定した平均値を測定するように推奨する」ということ。

しかし、5回以上なんて根気よくやる気はおきませんわな。
かえって測定するごとに不安になって緊張で血圧上がらないか。

現実的な手間を考慮するとガイドライン通り、2回もやれば十分だろう。

血圧計で色んな人が測っているのを見てきたが、
大抵血圧は見かけ上高くでることはあっても低くでることはない。

あと、何故か1回目の測定だと高めにでることが多い。
そう考えていくと、2、3回やって低い方を採用したって大過ないとすら思う。

人によっては何回やっても変動がないというのも多い。
それなら1回で十分。朝と晩であまり違いがない人も朝1回で良いだろう。

測定回数についてまとめると次のようなところだろう。
•1日2回朝夜(朝1回でも可)
•1機会の測定は2~3回(変動が少ない場合は1回)
•安定していれば,毎日測定でなくてもOKとする
•不安定の場合は,毎日測定

測定環境

次のように一定の条件にして測るとよいだろう。
静かで適当な室温で
椅子に足を組まずに座ってリラックスして

測定条件

起床後1時間以内で朝食前に
排尿後に(排尿前の循環血液量が多い状態だと高く出やすい)
薬を飲まずに

要は血圧が変に振れてしまう要因を排除して測りましょうということ。

血圧測定という単純な作業も人によって記録の付け方が様々で
気が向いたときだけ記録する人
血圧手帳につける人、手書きでノートに頑張ってつけている人
エクセルで作ってグラフ化している人など様々だ。

色々頑張って頂いて素晴らしいのだが、時々気になるのは、
「何のために血圧を下げているのか」を忘れている人が多いことだ。
下手すると医療者側でもそんな人がいる。

検査値を下げるのは病気を予防する手段の1つであって目的ではない。

こういう手段と目的の取り違えから治療方針を見誤らなければいいのだけど。

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