腎臓が悪い人が摂って良い市販薬、いけない市販薬

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始めてきた方は「薬と健康のホンマでっかな情報発信局とは」をお読みください。

腎臓の機能が落ちている人は、薬の選択により一層の注意を要する。

腎臓は、腰の上あたりに左右1つずつある、そら豆の形をした臓器で
大雑把に言うと濾過フィルターのようなものだ。
具体的には次のような役割を担っている。

1、血液を濾過して血液中の老廃物を除去して尿を作る
2、尿の濃さや量を調節して体の中の水分量を一定に保つ
3、血液の電解質の濃度(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)を調節する
4、ビタミンDを活性化して、カルシウムの吸収を促進する
5、血液を弱アルカリ性に保つ
6、造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)の分泌ーこれが不足すると貧血になる
7、血圧の調整を行うー腎臓から分泌されるレニンというホルモンの働きによる
8、不要になったホルモンの分解・排泄を行う

腎機能低下している人こうした機能が落ちているわけだから
薬を買い求める際には、医師か薬剤師に確認をとったほうが良い。

軽度から中程度の腎機能低下であれば他の健常人と同程度には市販薬を飲んで
問題ない場合も多いのだが、リスクを推し量るには専門家を頼る方がベターだろう。

市販薬での害が特に生じやすくなる例として、次のような病態があげられる。

ⅰ)脱水状態(例:下痢、嘔吐による)または発熱性疾患
ⅱ)重い腎臓病(ステージ4,5または腎機能が通常の30%以下)
ⅲ)軽度~中程度(ステージ3で腎機能が通常の30~60%)
ⅳ)他の重篤疾患をもつ高齢者(冠動脈性の心疾患)

自分自身で薬を選ぶ知恵があれば、そんなリスクも避けることができる。

参考までに腎臓が悪い人に使わない方が良い市販薬、使っても大丈夫な市販薬の
成分について以下に記していく。商品名は数限りないので、
パッケージの裏面にある成分表から見分ける方法だ。

あくまで参考なので、詳細な情報は薬剤師か総合内科医や腎臓内科医に
確認をとるのがベストではある。

頭痛薬

飲んでも良いもの
アセトアミノフェンが安全性が高く、頭痛を抑える薬としてはベストチョイスだろう。

腎機能が通常の50%以下なら、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク及び
それらと同系統の薬は避けた方が良い。腎機能を悪化させる恐れがある。
腎移植後の拒絶反応抑制薬を飲んでいる場合もイブプロフェンを飲むのは避けた方が良い。

血栓予防用として使われる低容量(75-150mg/日)のアスピリンは服用可能だ。

咳や風邪の薬

咳や風邪の薬に関しては複数成分を含む製品が多数販売されているため、
パッケージの成分をよくチェックした方が良い。

頭痛薬同様、アセトアミノフェン含有製剤が比較的安全性が高い。
逆に高用量のアスピリンを含む製剤は避けた方が良い。

多くの風邪薬は鼻づまりを解消する成分も含んでいる。
高血圧(腎臓が悪いとなりやすい)の方は避けた方が良いだろう。

鼻づまりを解消するのにはメントールなどの蒸気吸入も有効だ。
咳には簡単なシロップやはちみつレモンなどが優しいだろう。

筋肉や関節の痛み止め

筋肉痛や関節痛の際には、クリームやローション剤で対処するのがもっとも簡単だ。
痛い箇所に塗込むだけで良い。

頭痛薬同様だが、腎機能が健常人の50%以下ならイブプロフェン、ジクロフェナクと
いった痛み止め成分を含む錠剤は避ける。

イブプロフェン含有のジェルやスプレーは錠剤を服用するよりも安全性が高いが、
少量でも経皮吸収され血流にのる可能性はあるので完全にリスクフリーというわけでもない。

消化不良の薬

簡単な整腸剤や炭酸カルシウムを含む制酸剤などは使っていてまず問題ない。
逆に避けた方がよいものはリンを含む製品だ。腎機能が落ちるとリンの排泄能力が
おちて、血中にリンがたまりやすくなる。
アルミニウムやマグネシウムを含む薬も、腎臓系の医師に処方されたのでない限りは
避けた方が無難だ。

胸焼けの薬

ファモチジン(ガスター)などの胃酸分泌を抑えるタイプは短期的に使用する分には
さほど問題ない。
ただし、同じ胃酸を抑えるグループの薬でも
シメチジン(タガメット)は血液検査におけるクレアチニンの数値を上昇させるため
腎機能が悪化したかのように評価されてしまうため避けた方が良い。

花粉症やアレルギーを抑える薬

抗ヒスタミン剤、鼻炎スプレー、点眼薬は比較的安全性が高く、アレルギー症状の改善に有効だ。
腎機能が50%以下の時にセチリジン(ジルテック)を飲む場合には服用量を減らすか、
1日おきに飲むか、全く飲まないかにする方が良い。

抗ヒスタミン薬に関しては別項でいずれ詳しくまとめようと思う。

便秘薬

一時的にであればセンナなどの生薬成分を含む錠剤は使用可能だ。
もし便秘が続くなら医師に相談した方が良い。
腸を刺激する製剤を長期間使うと排便能力がおちたり、色々と弊害が多い。

腎機能低下患者にお勧め出来ない便秘薬は膨張性の下剤だ。
このタイプは水分摂取を十分した時に効力を発揮するので、
水分摂取の制限を受けているような腎機能低下患者には適さない。

下痢止め

ロペミンなどロペラミド含有製剤は使用して差し支えないだろう。
ただし、腎臓が悪い上に下痢と嘔吐が同時に出るようだったら医師か薬剤師にアドバイスを求めた方が良い

その他

•ホメオパシーのリメディーはとっていても安全だが、効果は証明されていない。

•漢方や植物薬の中には血圧を上昇させるものがある
気分を上げる為のセントジョーンズワートは腎臓病に対して処方される薬と飲み合わせが悪いことがある
風邪の時に使われるエキナセアは直接腎機能に影響を与える可能性があるので使う前に
医師に確認をとるなどした方が良い。

ハーブ薬は有効成分の含有量がメーカーによってかなりバラつくので
その用量がどれほどの効力を発揮するのか素人目には分かりづらいことも問題である。

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