アルツハイマーと誤診された前頭側頭型認知症の話

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

先日、誤診を受けていた方に出会った。誤診と言い切れるのは、その後正しい診断名がついたからだ。

以前医師に診断の理論なるものを習っていたこともあるのだが、
診断というのはある程度確率の問題が絡むので
当たるも八卦当たらぬも八卦というところがあると思う。

誤診したからといって悪いとは言い切れない部分が多い。
それは医療者の都合だといってしまえばそれまでなのだが。

さて、僕がたまたまお話したのは
アルツハイマー型と誤診されていた前頭側頭型認知症(通称ピック病)の患者さんのご家族。

以前アルツハイマーと誤診されていたときは、
アルツハイマーに使われる薬であるアリセプトを服用して全く効かなかった経緯がある。
しかも、アリセプトを年余にわたって服用していた。
副作用として興奮を招くことがある薬なのだが、例に漏れず興奮状態が出ていた。

僕があった時は、デパケンやセロクエルという
神経の興奮をおさえたり、不安症状をおさえる薬を飲んでいた。
ようは無理矢理おとなしくさせられていた?のである。

認知症については、別項でまとめる予定であるが、
今日は前頭側頭型認知症にフォーカスしていく。

•疾患について
この疾患は前頭側頭葉変性症という
主に大脳の《前頭葉》と《側頭葉》の委縮が目立つ脳疾患の1タイプである。

1タイプというのは、他に下記の2タイプもあるからだ。
進行性非流暢性失語症 :先の言葉がなかなか出てこない
意味性認知症 :物の使い方はわかるが、その物が何を意味するかがわからない

さて、当該患者の疾患だが、
症例数が少なく、原因や治療法は確立しておらず対症療法が現状のようである(人に聞いたので伝聞調)。
ある特定の異常タンパク質(ピック球やTDP-43)が脳の神経細胞内に蓄積することは判明している。

因みに、これは難病指定されている筋萎縮性側索硬化症(ALS)という筋肉が徐々に硬くなる病気の
患者の脊髄に蓄積している物質と同じものである。

アルツハイマーは頭頂葉や側頭葉(の内側)が萎縮するのに対して
前頭側頭型認知症は名前通り、前頭葉や側頭葉が萎縮する。

人格障害が目立ち、初期段階においては物忘れなどの記憶障害は現れにくい。
アルツハイマー型認知症に使われるアリセプトは無効で、かえって興奮状態を招きかねない。

•検査について
頭部CT検査やMRI検査で、違いを見分けるようであるが、
脳の変化(委縮)があまり見られない初期では判断がつかないことも多いようである。
より詳しい診断を下すためには、SPECT検査やPET検査が有効との説もある。

•主な症状と特徴
症状を理解するには前頭葉と側頭葉の働きをおさえた方が良いだろう。

前頭葉:主に意思や思考、感情をコントロールするとともに、
    人が理性的に行動を起こすという行為と関わる
側頭葉:聴覚や味覚をはじめ、記憶や判断力、感情等をコントロールする

これらの機能が失われていくことから、
具体的には次のような症状出てくる。
・他人の迷惑を顧みず、自己中心的な行動を取るが、自覚(悪気)がない
・身だしなみに無頓着、不潔でいても平気
・毎日、同じものを食べ続ける…
・周囲の人を無視したり、馬鹿にした態度をとる…
・意味もなく同じ言葉(あるいは行為)を繰り返す…
・落ち着きがない…
・自発的な発語が減少する…
・興奮状態になりやすく、暴力を振るうことがある…
・他人の物やお店の商品を勝手に取っても犯罪の自覚がない… など

•薬物治療
治療と言えるほどの対策があるのか分からないが
鎮静剤と抗不安剤が使われることが多い。
上記の例がまさにそうである。
言い方は悪いが、とにかく問題症状をおさえつけるしかない、
ということになるのだろうか。

関係者はアルツハイマー型以外にも認知症にはさまざまな型があり
対処が違うということは知っていた方が良いだろう
(恐らく既に知っている人が多い気はするが)。

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