インフルエンザに対する7つの誤解

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

多くの患者さんから数々の質問を受けていると、インフルエンザに関してまことしやかな迷信が流布しているように思う。

インフルエンザに関してそんな誤解を7個紹介しよう。

 

ワクチン摂取によりインフルエンザを発症することがある

こう思っている人は意外に多い。ワクチンは不活化されたウイルスなので、伝染することはない。従って、仮にインフルエンザのワクチンを打って具合を悪くした人がいたとしても、それはどちらにせよそうなっていたということなのだ。ワクチンを打ってから免疫を獲得するまでに1、2週間はかかるが、その間に症状が出ると人はワクチンによって具合を悪くしたと勘違いしたりする。人は因果関係がなくても後付けで理由付けしてしまうのである。因みにワクチンの副反応として、局所反応(例えば患部の赤み、腫れなど)が見られるとの報告があるが、ほとんどは一過性である。

ここ3年の副反応発現率は次の通り(出典:インフルエンザ診療マニュアル2015-2016)
2012-2013 4866名中277名(5.7%)
2013-2014 7229名中301名(4.0%)
2014-2015 5913名中273名(4.6%)

 

健常人はワクチンを打つ必要がない

インフルエンザワクチンが慢性疾患をもっていたりリスクが高い人に推奨されるのは、その基礎疾患の重症化を防ぐための意味合いが強い。近年のガイドラインでは6ヶ月〜19歳までの子供、妊婦そして49歳以上の年齢層全ての人にワクチン接種が推奨されている。また、健常人であろうと感染を広める媒体になりうるので、特に病気の人と接することが多い医療従事者などは、自分が問題なくても易感染性の人への伝染リスクを考えれば接種しておく方が望ましい。健常人は感染しても発症しないか数日で自然治癒するので、ある一面では必要性が低いのだが重症化を防ぐのと集団免疫を獲得する意味では必要である。

 

ワクチンを打っておけばインフルエンザから身を守るには十分である

ワクチン接種以外にも予防策として出来ることは沢山ある。感染者との接触をさけ、手をよく洗い、ワクチン接種をする前に感染が疑われた場合には抗ウイルス剤を予防的に使う など。以前、治療薬の紹介でも述べたがビタミンDが予防に有効であるという説もある。

 

体調が良ければ、ウイルスに感染しておらず蔓延させることはない

インフルエンザウイルスを持っている人の20〜30%は症状が出ない。しかし、媒介者となりうる可能性はある。顕在化していない感染という意味で、不顕性感染と呼んだりする。

 

毎年予防接種をする必要はない

ウイルスは毎年変わる(変異する)。従って毎年接種するのは、発生しうるリスクに対する免疫を獲得するために大切なことである。

 

寒空のした髪を濡らしたまま薄着で外にいればインフルエンザに感染する

インフルエンザに感染する唯一の経路はウイルスへの暴露である。寒い時期とインフルエンザのシーズンが一致するので、関連づけて考えてしまいがちだが、実際には関係がない。単に乾燥しているとウイルスが遠くまで飛びやすく、逆に湿気っているとウイルスが空気中の水分にくっついて落ちやすいという側面はあるかもしれない。ウイルスは宿主にたどり着けなければ自然に壊れてしまうので、飛びにくく宿主までにたどり着けないものは途中で壊れて害もない。

 

インフルエンザによる高熱が2日以上続いたら、抗生物質が必要だ

抗生物質は細菌には有効だが、ウイルス感染症には無効である。中にはインフルエンザによる合併症として細菌感染を起こす可能性はあるので、もし症状が長引くか悪化するなら一度調べてみるのもよいだろう。

適切な対策をとるにしても、まずは事実と迷信は切り離して考えることが大切だと思う。

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