生活習慣病を減らしたければ食器のサイズから

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食べ物のサイズは過去50年間に渡って、徐々に大きくなっている。食器類のサイズも変わってきている。食べ物のサイズが大きくなるにつれて、人のサイズ(太さ)も大きくなってきている。そんな記事がBritish Medical Journal(BMJ)に掲載された。その本文に掲載された図を以下に示すが、過去50年で飲食物のサイズ感が大分変わったなぁと思う。

cppw_foodtrends_20120607_newabnormalcitations

increase-in-portion-sizes

では、大サイズで料理や飲み物を提供されるのと、小さめのサイズでのそれはどう違うのだろうか。また、食べ物のサイズそのものを変えた場合と食器類(グラス、皿など)の大きさを変えた場合はどのように影響が異なってくるのだろうか。それぞれのサイズを変えて比較研究したものがある。

72個のランダム化比較試験を含むシステマティックレビューの論文である。

Portion, package or tableware size for changing selection and consumption of food, alcohol and tobaccoDOI: 10.1002/14651858.CD011045.pub2

この中では、食べ物やパッケージ、食器類のサイズを変えることが、どのように結果に影響したかを検討している。研究の中で、食事、タバコ、アルコール、ノンアルコールドリンクなどの消費量について、食べ物サイズや食器サイズ•形状による影響が調査された。

ポイントは次の通り。

•サイズが飲食物の消費量に影響する
飲食物を大きなサイズで供した方が、一貫して飲食物の消費量が増えた。大きいサイズで提供された方がつい多く食べてしまうというのは、誰しも経験があることだろう。提供するサイズを小さくすることで英国民の全体のカロリーの12-16%を減らせるのではないかという試算も出ている。

•形状が飲料摂取量に影響する
レビューの中にある研究の1つが、長くて幅が狭いボトルよりも短くて幅広のボトルで提供された方がより多くの水を飲むことを示唆している。ただし、この研究は、参加人数が50人とかなり少なく調査方法の限界があることから、研究の質は低いとされている。他に3つの研究が同様の結果を示唆しているが、それらも研究方法の限界がありエビデンスレベルは低いとされている。

•サイズが飲食物の選択に影響を及ぼす

大人のケースであるが、小さい物よりもより大きなサイズの食事(ドリンクを含む)、パッケージ、食器類を選択する傾向にあった。ただし、この影響はsmall〜moderate。

研究の質について述べられているが、我々の体感ベースでなんとなく分かりそうなことが研究結果として示されている印象である。研究方法の限界ということが、ところどころで述べられているが下表のようなバイアスが入りうるリスクが排除できなかったか不明である点は否めない(ざっくばらんには、緑色が多い方が研究の質が高いと考えれば良い)。

risk_of_bias_foodsize

結論としては食事、パッケージ、食器類のサイズや形状を変えることによって、人々の選択をより適切なものにすることが可能なのではないかということが言えるだろう。結果として肥満や生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)を減らすことができるのではないだろうか。アルコール飲料に関しては研究結果がないのでなんともいえない。

カロリー制限をすることで若々しくいられる上に病気を防ぐことができることを示唆する動物実験もあり、一般論として、やはり適切なカロリー摂取が重要なのは言うまでもない。

大きなサイズを日々みていると感覚が麻痺してくるので注意が必要だ。学校などの公共機関に政策としてこうした対策を導入するのは可能かもしれないが、商業施設への介入は現実的ではないだろう。

メタボ予防のために食器サイズから変えていくのは、家庭内の試みとしてありえそうな気がする。

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