運動後の筋肉痛が年をとるにつれて遅れて出るのはなぜか

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始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

年末に毎年恒例で、小学校時代のサッカーチームの仲間とフットサルをするのだが現役時代からの衰えを感じている今日この頃。そして筋肉痛が長引いている。そこで何故、運動後の筋肉痛が年を重ねると遅れて出るのかを調べた。

運動直後の筋のこわばり、痛み、だるさ、不快感といったものはどちらかと言えば「筋疲労」である。筋疲労はかつて乳酸の蓄積によって引き起こされると考えられていたが、この説は既に否定されている。運動中には身体にエネルギーが必要で、それを得るために分子を分解してそれを得ようとする。この代謝過程の結果、細胞は酸性側に傾き、筋肉が炎症を起こしているかのような感覚を起こす。現在はこうした筋疲労はカリウムイオン、リン酸、グリコーゲンの枯渇などが原因ではないかと言われている。乳酸は、実際には代謝過程の副産物であり、細胞が酸性になる速度を遅らせる緩衝剤として機能する。乳酸は常に生成されており、休んでいる時もその例外ではない。乳酸の蓄積は筋トレの効果を測る指標にはならない

遅れて出る筋肉痛は遅発性筋痛(delayed onset muscle soreness:DOMS)と呼ばれる。この遅発性筋痛は、普段あまり使っていない筋肉を激しく使うと、その翌日あるいは2〜3日後から発生し長い場合は2週間くらい続く。通常、運動の6-8時間後くらいから症状が顕著になり、24-72時間後にピークを迎える。その時間の幅は人によってバラバラである。

これまでの研究では、遅発性筋痛の原因は筋線維や周囲の結合組織における細かい断裂や損傷に起因する炎症反応であることが分かっている。より具体的には損傷部位に白血球が集まって、ヒスタミンやプロスタグランジン、ブラジキニンなどが放出されて痛みが生じる。薬で言えば、イブやロキソニンに代表されるNSAIDsと呼ばれるプロスタグランジンの生成を抑えるタイプのものが良く効くということになる。まあ、薬を使うほどひどい筋肉痛になるまでやるべきではないのだが。

普段しない運動、普段かけない強い負荷や全く新しい慣れない動きをした時に遅発性筋痛が起こるのはある程度年のいった大人なら身に覚えがあるだろう。僕は、高校までずっとしていたサッカーやフットサルをしていたが、最近は年に数回しかしないので、たまにやると筋肉痛が長引く。先日、友人に誘われてボルダリングを初めてした時もそうだし、以前引越し屋でバイトしていた時も普段使わない筋肉を使うものだから筋肉痛が長引いた。ジムで慣れない筋トレやウェイトリフティングをしても同様である。

身体はある動きをしたら次はその動きにより適応できるような状態にする。つまりそれに即して筋肉を成長させる。従って、上記のような運動でも継続すればその部位がビルドアップされていき筋肉痛が出なくなる。それでも、スクワットや腕立てをより深く沈み込むようにやるとか、下り坂を駆け下りるとかトレーニングを激しくするとなお遅発性筋痛が出たりする。因みに上半身のエクササイズの方が下半身よりも筋肉痛を起こしやすいそうである。

この遅発性筋痛が年をとるにつれて遅れて出現する理由であるが、はっきりとしたことはわかっていないが、仮説はある。子供はよく動き回っている。家では暴れ回り、学校では体育の時間以外にも校庭を意味もなく走り回ったり、休み時間にはドッジボールをしたりと、いろいろな運動をしている。つまり全身のさまざまな筋肉をよく使っている。

一方、大人の生活を考えると、年をとるにつれて体力の衰えや仕事の都合でどうしても運動量が減ってきたり、デスクワークが増えたりで、たまに運動するにしても決まった運動(ジョギングなど)に偏りがちである。つまり特定の筋肉しか使わない。こうなると普段は使わない筋が増える。すると、その筋では酸素をあまり消費しないので、その筋の毛細血管網は次第に減る。毛細血管の数が減るために白血球の集合に時間がかかり、炎症の発生が遅れるのであろうと考えられている。

では、子供と同じように動き回っていればそんなことはないということなのだろうか。例えば、ファルトレク(野外走)といって、野山を駆け回るトレーニング方法がある。これは、ジムなどの決まったトレーニング単体よりも走力アップに必要な全身の筋肉をバランスよく柔軟に鍛えられる方法ではないかと言われている。

調べてみて、普段いかに使っていない筋肉が多いのかということを実感した。

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