【脂質異常症】スタチン剤の効果まとめ

Pocket
LINEで送る

始めてきた方は「このブログを通じて医療従事者と患者さんに伝えたい想い」をお読みください。

肝臓でのコレステロールの生合成を抑えるHMG-CoA還元酵素阻害薬、いわゆる「スタチン剤」を中心にコレステロール降下剤についてまとめていこう。スタチン剤は世界で最も売れている薬の1つであろう。元々は紅麹米などの成分から抽出された成分から合成されたようである。そして、最初の発見者は日本人の遠藤章博士である。「世界で一番売れている薬」(山内喜美子著)という書籍にその開発経緯が描かれており、創薬の大変さを思うと同時にそのストーリーに感動をおぼえたものだ。その点、僕などは後から論文をちょこちょこ読んでまとめてお気楽なものである。

さて、まずは種々のコレステロール降下剤について、表にしたものを記す。
statinまとめ
↓↓↓ :≦-25%, ↓↓:-20~25%, ↓:-10~20%
↑:10~ 20%, ↑↑:20~ 30%

基本的には、HDLコレステロールは直接上昇させる良い薬剤はなく、中性脂肪はそのコントロールが心血管疾患の予防に有効とする科学的根拠に乏しいので、脂質異常症の治療で最も大事なのはLDLコレステロールのコントロールということになる。実際に、LDLコレステロールを最も下げやすいスタチン剤が最も良く使われる脂質異常症の治療薬である。また、恐らく今年か来年PCSK9阻害薬という新作用機序のコレステロール降下剤が販売される。既に臨床試験の論文もいくつか出ているので、そのうち触れるかもしれない。ただし、値段や効果を考えると主流はそう簡単には変わらないのではないかと予想している。

さて、その現在流通しているスタチン剤にはいくつか種類がある。それを特徴と共に以下の表にまとめる。
スタチンまとめ2
因みにこの表はUpToDateにあるまとまった表を簡略化して記載しているが、UpToDateの方がより細かい情報は盛り込まれている。購読している方はそちらを参照した方が早いかもしれない。ポイントとして、それぞれの薬剤でのコレステロール低下率の違い、代謝酵素(CYP) の影響、食事の影響、服用時間で各薬剤の特徴を把握しておくことが説明上大切である。一般に、肝臓でのコレステロール生合成は夜間に亢進するということで夕方に飲む指示をすることが多いのだが、実際にはいつ飲んでもさほど効果が変わらないものも多い(Anytimeと書かれているもの)。

各薬剤のコレステロール低下率は以下のUpToDateにあるグラフで、大雑把には予測できる。
スタチン効果比較
僕は上記のプロットが分かりづらかったので、上記プロットをみながら低下率を表に作り直してみた(結構大変だった/笑)。あまり正確ではないのであくまで参考まで。
スタチン効果比較表

言うまでもないことだが、食事や栄養療法の効果が期待できるときには,それを差し引いて薬剤を選択すべきである。

さて、コレステロールを降下させる目的は心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中ひいては致死的イベントの予防であるが、スタチン剤に関してそれらの予防効果について検討した研究がある。その結果の表が以下である。
statinefficacy

詳細は、同論文Should people at low risk of cardiovascular disease take a statin? BMJ. 2013 Oct 22;347:f6123にあるが、心血管イベントはある程度減らすとみて良いだろう。リスク分類にもよるが何十人〜160人位が何年も薬を飲み続けて、ようやく1人予防できるかという程度ではあるが。心筋梗塞に関してはその倍程の人数が飲めば、1人予防できる。脳卒中に関しては更に心筋梗塞の3倍程の人数を、、以下略。総死亡は減るがこの程度かという感は否めない。肝心の効果はNNT(何人服用すれば1人予防できるかという指標)でみると微妙だ。まあ、率直に言うと心臓系のイベントは僅かに減らすかもしれないが、脳卒中の予防にはほとんど効果がない。

次回はスタチン剤の副作用についてまとめる。意外な副作用が沢山あるのでビックリされるかも。

↓ ↓ ↓この記事に共感した、面白かったらこちらをクリック!
dqranking  dqmura

 ご案内

講演、取材についてご相談、お申込み

薬についてのご相談

薬局のお悩みについてご相談

↑トップページに戻る

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2016年 1月 10日

Translate:

アーカイブ

ar

おすすめメディア集

hymkbanner

セールスが苦手だからこそ、出来る!作れる!売り込まないセールス設計とは、お客様から選んでいただける体制を作れればいい。その体制は、あなたのビジネスの「強さ」と「違い」を作り出し、活かすことで構築できる。その構築方法をお伝えしています。

ファーマシストフロンティア

私も連載している人気マガジン。広告によって編集内容が左右される従来の雑誌とは一線を画し、実相を探求したウェブマガジン。必要とされる薬剤師になるための必読書、それが『ファーマシストフロンティア』です。

お問い合わせ

インバウンド003

facebookページ(いいねを押していただけると励みになります!)

PAGE TOP
Translate »