蚊がターゲットを決める要因とシンプルでベストな蚊に刺された時の痒み対策

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蚊に関する記事一覧

蚊がターゲットを決める要因
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蚊ドラッグエンジン

蚊がどのようにターゲットを特定して、攻撃するのか。蚊に刺されやすい人というのは確かに存在する。刺されやすいからといって、自分の遺伝子や体臭を呪っても仕方ないしどう対策すれば良いかというのは考えものである。世界中で最も人を死に至らしめている生物1位は何か。ビルゲイツのブログに書かれていたのだが「蚊」である。因みに2位は?「人間」。3位は「蛇」で、4位が「犬」である。1、2位はダントツだ。

蚊対策をするにしても、彼らがどのような要因をもってターゲットを選別しているかをしっておく方が良いだろう。どんな人が蚊を寄せ付けるかについては迷信地味た説から科学的根拠に基づいたものまでさまざまである。ここでは、ある程度根拠があり確からしい条件を紹介する。

1、血液型

O型は蚊をひきつけやすいというのは有名である。どこが出元なのか、検索してみたが恐らく以下の文献であろうと思われる。
Landing preference of Aedes albopictus (Diptera: Culicidae) on human skin among ABO blood groups, secretors or nonsecretors, and ABH antigens.J Med Entomol. 2004 Jul;41(4):796-9.Shirai Y1, Funada H, Seki T, Morohashi M, Kamimura K.
日本では最も多いと言われる、ヒトスジシマカを使った研究。下図は同文献からの引用だが、確かにO型は刺されやすい。
蚊_landingpreference

2、妊娠

 

これもどこかで聞いたことがあるような話なのだが、Lancet誌に掲載された以下の文献に記載があった。
Effect of pregnancy on exposure to malaria mosquitoes
妊婦は通常よりも熱をだしているので、蚊にとって魅力的なターゲットになるそうである。妊婦は妊娠していない女性よりも2倍蚊を寄せつけやすいとかかれている。

3、アルコール

ボランティアにビールを摂取してもらい蚊のとまりやすさをみた実験では、シラフよりもビール摂取後の方が明らかに蚊を寄せ付けやすいと書かれている。とても少人数の試験。
Alcohol ingestion stimulates mosquito attraction.J Am Mosq Control Assoc. 2002 Jun;18(2):91-6.Shirai O1, Tsuda T, Kitagawa S

4、臭い

蚊を引き寄せやすい化合物を放散している人もいれば、蚊を寄せ付けにくい化合物を放散している人もいる。何故このような違いがあり、それらがどういう働きをしているかはっきりしたことは分かっていないが、それらの化学物質を単離して蚊よけスプレーや蚊取りトラップの開発に役立てようとしている研究はいくつかある(下記)。
Arm-in-cage testing of natural human-derived mosquito repellentsMalaria Journal 2010, 9:239
Interindividual variation in the attractiveness of human odours to the malaria mosquito Anopheles gambiae s. s.Med Vet Entomol. 2006 Sep;20(3):280-7.

 

5、皮膚微生物

皮膚にいる微生物によって人の匂いというのは変わるものである。どの微生物がどんな匂いを出し、蚊を寄せ付けているのかは分からないが、多くの種類の皮膚微生物をもっている人の方が蚊を寄せ付けにくいようである。以下の文献がソースだが、僕のような門外漢からするとかなりマニアックな研究に見える。
Composition of Human Skin Microbiota Affects Attractiveness to Malaria Mosquitoes

6、二酸化炭素

Bulletin of Entomological Research雑誌にのっていたレビューによれば、呼吸する時により多くの二酸化炭素を出す人(妊婦や体格が大きな人を含む)の方が蚊を寄せ付けやすいようである。
The role of carbon dioxide in host-finding by mosquitoes (Diptera: Culicidae): a review

7、運動

運動すると乳酸が生成されやすいが、それが汗として出てくると蚊を寄せ付けやすいのではないかという説がある。
L-Lactic acid: a mosquito attractant isolated from humans.
Journal of the American Mosquito Control Association 31(1):63-70. 2015
これらの研究はいくつかの異なる種の蚊におけるものなので、どの成分がどの種類の蚊を引き寄せやすいかについてはある程度の多様性がある。

蚊には実に3000を越える種があるようで、中にはマラリア、黄熱病、デング熱、チクングンヤ熱、ウエストナイル熱など死に至ることもある感染症を媒介するものもいる。それらの疾患は世界中で年間700,000名以上もの人命を奪っているそうである(とビルゲイツのブログに書いてあった)。人から人へと伝染するものも多いので、蚊対策は多くの国でかなり重要視されている。

★蚊に刺されてしまった時の痒みを止める方法

この方法は非常にシンプルだ。抗ヒスタミン剤を使えば良い。何故、それがベストなのか理由を以下で説明する。まず、メスの蚊が血を吸う時(吸った血を卵を育てるのに使うので、雄の蚊は血を吸う必要がない)、唾液を皮膚の下に注入している。その蚊が出す唾液が、人の免疫系がヒスタミンを放出する引き金を引き、患部を赤く腫れ上がらせ痒くする炎症反応を引き起こすのである。

蚊に噛まれて痒みが引き起こされる機序が上記の通り明確なのだから、その機序をストップするものを使えば良い。従って、我慢できる程度の痒みならば良いが、そうではない場合は抗ヒスタミン剤が入ったクリームやジェルを使うのがベストとなる。飲み薬の抗ヒスタミン剤を使ってもよいのだが、副作用も考慮すると、そこまでする必要があるケースは多くはないかと思う。具体的には成分表に「ジフェンヒドラミン」が入っているものを探せば良い。錠剤、クリーム、ジェルなどの剤形の製品があるようである。代表的なものが、レスタミンコーワクリームである。

単純に患部を冷やしたり、メンソールなどの冷感成分を用いるのもヒスタミンが原因で起こる痒みに有効である。これは、多くの酵素は冷やすと働きが落ちるのだが痒みを引き起こす酵素もそうであるためではないかと考えられている。

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