がんは何故発生するのか

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がんは遺伝子の異常によって発生する。多細胞生物が長く生きることで必然的に生じる遺伝子の病気ともいえる。遺伝子の異常は、遺伝子が何らかの要因でダメージを受け、生体が本来もつ修復機能が正常に働かず変異として複製されると発生する。そして、最終的に無限増殖能、転移能、免疫逃避能などを獲得したがん細胞となる。

書店にいけば癌を治せないはずはないと言わんばかりの癌関連書籍が山ほどあるが、依然として日本人の死亡原因の1位に燦然と輝いている。野生動物はがんにならないとか、サメは癌にならないからサメ軟骨をとろうとか、抗酸化物質を大量摂取すればがんにならないとか色々な説があるが、それらは全て誤りであることが分かっている。一方がんに対する診断方法、手術技術、放射線療法、化学療法、免疫療法などは進歩してきた。

胃がんや子宮がんによる死亡率は減少し、生存率は向上したが大腸がんなど欧米型のがんは増えており、がんは全体の3割を占める死因である。早期発見、早期治療だけではなく予防医学も注目されている。予防しようとして防ぎきれるものとはいえないが、発がんメカニズムを理解しておくのが良いだろう。

ヒトの体は約60兆個の細胞から成り立っているとされている。それらの細胞は増殖と死を繰返し、常に新しい細胞に入れ替わっている。細胞にはそれぞれ寿命があり、古くなった細胞は細胞死でなくなっていく。一方で、細胞分裂により新しい細胞がうまれる。そのバランスで体の恒常性が維持される。

細胞増殖と死は遺伝子からのシグナルでコントロールされる。がんの場合多くは「生存シグナル」が強すぎ、「細胞死シグナル」が弱い。従って細胞が増殖し続ける。逆に生存シグナルが弱く、細胞死シグナルが強いとアルツハイマーなど細胞死による退行性変化がおこる。

アクセルとブレーキのバランス
上述したバランス関係にはがん遺伝子とがん抑制遺伝子が関わる。がん遺伝子といっても悪さばかりするわけではなく、通常は細胞増殖において重要な働きをする。特に成長段階においては。

ところが、がんでは、この遺伝子が変異して通常と異なる機能を持ち始める。すると生存シグナルが異常活性化して無秩序に細胞が増殖する。がん遺伝子は100個以上発見されているが、その内の一部を下表に示す。
がん遺伝子
こうしたがん遺伝子の働きにターゲティングした分子標的薬と呼ばれるタイプの抗がん剤も近年多く開発されている。一方、がん抑制遺伝子は先と逆で、細胞分裂や増殖を抑えるブレーキの役割を果たす。20数個のがん抑制遺伝子が発見されているが、一部を下表に示す。
がん抑制遺伝子
これらのがん抑制遺伝子が、機能欠失型(loss of function)に変異すると細胞分裂や増殖に抑制が効かなくなり、やはり無秩序にがんが増殖する。これが基本的ながんの発生機序である。

【参考書籍】
がん治療薬イラストレイティッド

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