イメンド(アプレピタント)に関わる臨床試験

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制吐療法のまとめにて、アプレピタント(商品名:イメンド)を紹介した。2009年10月に製造承認を取得した比較的新しい薬である。イメンドは、中枢性(脳内)の嘔吐反応にかかわるNK1(ニューロキニン1)受容体に選択的に結合することで、嘔吐反応を抑制する新機序の制吐剤である。以下では、イメンドに関する臨床試験を淡々と列記する(笑)。抗がん剤治療中につきものの、嘔吐、吐き気でプリンペラン、ナウゼリン、ノバミン、カイトリル、などの他の吐き気止めが無効な時でもこういう全く別の機序の薬剤があると頼りになることが良く分かる。

※以下、P=Patient(患者)、I=Intervention(介入)、C=Comparison(比較)、O=Outcome(アウトカム)の略。

デキサメタゾンにアプレピタントを上乗せするとオンダンセトロンを上乗せの場合に比べて全身麻酔下開頭術後の嘔吐を減少させる

(Anesth Analg 2011 Apr;112(4):813)

ITT解析なしのランダム化比較試験
P:全身麻酔下開頭術を行った115名の患者が対象。104人の患者(90%)が試験を完了。すべての患者は、麻酔開始後にデキサメタゾン10mgを服用
I:手術後30分以内にオンダンセトロン4mg
C:麻酔1-3時間前の経口40mgのアプレピタントで比較
O:嘔吐の完全寛解

オンダンセトロン対アプレピタントを比較した結果表
アプレピタントオンダンセトロン
吐き気、レスキュー制吐剤、患者の満足度、または0~48時間の完全寛解(術後の悪心・嘔吐が全くなくレスキュー制吐薬が必要ない状態)に有意な差はなかった。

アプレピタントは乳癌に対する化学療法を施行している患者における遅発性嘔吐予防おいてデキサメタゾンと同等の効果を示す

 (J Clin Oncol 2014 Jan 10;32(2):101)
早期中止のランダム化試験
P:アントラサイクリン+シクロホスファミドによる化学療法を行っている580名の患者(平均年齢53歳)すべての患者は、化学療法後24時間以内の急性嘔吐予防のための化学療法の前にパラノセトロン0.25 mg+アプレピタント125mg+デキサメタゾン8mgを服用.551名が解析に含まれた。
I:アプレピタント80mg/日
C:化学療法後2-3日目で1日2回デキサメタゾン4mgを1日2回経口服用
O: 以下の項目。いずれも2-5日目で有意な差なし。
•完全寛解(嘔吐なしまたはレスキューの制吐剤必要なし)
•嘔吐、吐き気、嘔吐関連のQOL
デキサメタゾン群で2-5目の不眠と胸焼けが有意に増加(それぞれP <0.03)

アプレピタントにオンダンセトロンを上乗せすることで、中等度~高度催吐性リスクの化学療法を行っている子供の吐き気と嘔吐を予防できる

(Lancet Oncol 2015 Apr;16(4):385)
ランダム化比較試験
P:中等度~高度の催吐性リスクの化学療法を行っている307人の子供(年齢中央値7年)(初発と再発がん両方を含む)
 •すべての患者は、1日目に医師の指示用量のオンダンセトロンを服用
 •医師の裁量でデキサメタゾンの追加も許可された
I: アプレピタント3日間
アプレピタント投与量設定は次の通り
年齢12~17歳は1日目125mg、2、3日目80mg
12歳未満では、1日目3mg/kgで上限125mg、2、3日目は2mg/kgで上限80mg
C: プラセボ
O:吐き気の完全寛解
(嘔吐なし、吐き気なし、化学療法サイクル開始後120時間以内の制吐剤の追加必要なしの状態を完全寛解と定義)
> 98%が解析に組み入れられた。

結果
プラセボイメンド2
もっとも多い重篤な有害事象は、発熱性好中球減少(各群15%)

5HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾン+アプレピタントで精巣癌の化学療法を受けている患者の嘔吐減少させる

(J Clin Oncol 2012 Nov 10;30(32):3998)

ITT解析なしランダム化クロスオーバー試験
P: 精巣癌で、1~5日目にシスプラチンベースの化学療法(8日サイクル)を行っている69名の患者(平均年齢33歳)が
最初のサイクル
I:アプレピタント
C:プラセボ
にランダムに割りつけられ、第2サイクルの時に、他の治療にクロスオーバーした

アプレピタント投与量 3日目:125 mg 4-7日目:80 mg /日
すべての患者が1-2日目にデキサメタゾン1日1回20mg、
6-8日目に4-8mgを1日2回+5HT3拮抗薬を1-5日目に1日1回 使用
※パロノセトロンは、他の5HT3拮抗薬に比べて半減期が長いために使われなかった
完全寛解を嘔吐がなくレスキューの制吐剤も必要ない状態と定義。
87%が試験を完遂して解析に組み入れられた。結果は以下
プラセボイメンド

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