「薬と健康のホンマでっかな情報配信局」とは

僕は、社会人になってから周囲の医師や薬剤師が患者さんに説明するさまを沢山見てきました。最初のうちは何となくそういうものなのかなぁ、とかあの人スラスラと説明が出てきて凄いなぁと単純に思っていました。しかし、次第に経験を積むにつれて
なぜ、その説明をするのだろう。根拠はなんなのだろう
と常に疑問をもってみるようになりました。そして、その根底の部分をいちいち泥縄式に調べてきました(そういう意味で、一次ソースが圧倒的に多い英語文献を吟味できるスキルを学生時代に鍛えていたのは幸いでした)。

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信頼に足る一次情報ソースは英語で発表されていることが多い

 

ネットでの言説に対しても同じ態度です。特に自分が専門とする分野においては、いい加減にしたくはなかったのです。そして、いちいち一次ソースの論文などを辿ってみるとプロですらいい加減なこと言ったり、書いたりしているなと慨嘆したわけです。下手すると医療の最終地点である患者のためにならないことを平気で言う人がいます。利益相反にまみれた人もいれば、極端な薬嫌いで客観性のない人もいる。根拠もないのにあなたの生活習慣がダメだからと勝手にジャッジする人もいる。プロとして誇りをもって働く上で、恥ずかしいと思う現状もありました。逆に誠実な情報発信をされていてとても素晴らしいなと感動するものも多々あったわけですが、それは圧倒的に少数派でした。

Hand holding smartphone with glowing mobile app choices

ネットには情報があふれている ただし良質な情報は少数である

 

まずは「疑問を疑問として認識」してはいかがかと思うのです。「なぜ」を大切にしましょうというのが、このメディアの根底に流れている思いです。それができないからいい加減なところまでしか調べることもせず、いい加減な説明に終始してしまうのではないでしょうか。

例えば、医療者と患者がコミュニケーションをとっているとします。患者が医療者に質問をする。日常的な風景です。ここで、僕が見ていて残念に思うのは単に質問に回答して、その根元の悩みまで話を敷衍できないが故に患者さんがもやもやを抱えたままになってしまうシーンです。しかし、「なぜ」その質問が出たのか。その背景を考えて、話を拡げてより役に立つ情報提供をして、可能であれば今分かっている知見がちゃんと語れればスッキリと状況認識できるのではないかと思うわけです。自分から普段から「なぜ」をもって物事を見つめていれば、患者さんの疑問の背景に思いが馳せられるのではないでしょうか。もちろん時間的制約は常にあるでしょう。しかし、それ以上に話し手の知識や語りが曖昧模糊としているから相手の信頼を得られないのではないかと思うのです。

近頃は、情報を得る手段に垣根がないのでテキトーに大量生産されているソースすら不明もしくはソースを書いていてもちょっと辿れば明らかに元に目を通していないと思われるようなメディア情報に影響を受け、悩んでしまう人がかなりいます。もっと恐いのはそれで知った気になってしまい、お互いにそれを広めあってしまうことです。

あの治療は大丈夫なのか、と。そんな相談を沢山受けてきました。通常、正式な論文では参照情報も示さずに適当にかけばまずはねられ相手にされないのが常ですが、ネット上の情報はそんなことおかまいなしですから、信じるひとも沢山いますし、不安を煽られる人はもっといるでしょう。医療の不確実性などと言われますが、根元まで辿っても白黒つかないこともあれば何でもかんでもエビデンスがあるわけがないですから、そうした議論にいちいち対抗する気もありません。それはそれです。しかし、

「ここまでのことが今分かっていて、これ以上のことは分からない」

「ここまでのことは対策ができて、それ以上はある程度許容しなければならない」

果たしてプロの方たちは、そこまで言えるほど虚心坦懐に「なぜ」をもって物事を見つめているのでしょうか。「常識」とは単に無批判に受け入れられている考えに過ぎないということはないでしょうか。そんな意識もあり、適当に言説を受け流すことはせずソースを調べて情報発信しようと続けています。逆説的ですが本当のところを書いていくと「ホンマでっか!?」となってしまうこともしばしばです。案外そうしたメディアは少ないのでやることにしました。それが、この「薬と健康のホンマでっかな情報配信局」です。

 

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